農薬登録保留基準値および公定分析法
環境省では、2010年8月に「ゴルフ場で使用される農薬による水質汚濁の防止に係る暫定指導指針(環境省)」の改正案を公開し、本案に関するパブリックコメントの公募が実施されました。 ゴルフ場使用農薬の暫定指導指針の改正は、現行45農薬の指針値設定から8年の歳月が経過しており、その間に新規農薬の登録があること、また失効農薬があること、ゴルフ場における使用農薬の傾向が変化していることに基づき、作成されています。
改正事項として以下の2項が挙げられ、新規に追加された農薬が29種、指針値が改定された農薬が17種、指針値から削除された農薬が2種となります。
- ゴルフ場での使用状況等を踏まえ、新たに指針値設定農薬の追加を行う。また既存の指針値設定農薬についても安全性評価状況を踏まえた指針値の変更や登録状況を踏まえた指針値の削除を行う。
- 今回追加する農薬については新たに一斉分析法を策定し、都道府県の負担軽減を図ることとし、既存の指針値設定農薬についても当該一斉分析法に可能な限り盛り込むこととする。なお、一斉分析法の実施が不可能な場合は個別分析法を策定する。
液体クロマトグラフ-タンデム四重極型質量分析計による測定においては、多成分一斉分析法が追加され、対象化合物は新規農薬の他、これまでガスクロマトグラフで測定されていた化合物も測定対象となっています。この多成分一斉分析法では対象化合物は44化合物であり、1化合物につき定量用、同定用の2チャンネルで測定する事となっています。

対象化合物と指針値
ウォーターズのソリューションの特長
- UPLCシステム、カラムを用いた高速・高分離能一斉分析
UPLCテクノロジーを適用した1サイクルわずか14分以内の分析を可能にしました。

多成分一斉分析法の測定例
- ゴルフ場農薬一斉分析システム:UPLC/TQD(タンデム四重極質量分析計)
TQDタンデム四重極型MSシステムは、ゴルフ場農薬一斉分析法における各農薬の複数モニターイオン、ポジティブ/ネガティブスィッチング測定において必要とされる高速測定に最適なシステムです。定量に必要とされるデータポイントを維持することで、高感度で良好な再現性の定量分析と同時に、効率的で信頼性の高いピーク同定を可能にします。
- 操作性・拡張性に優れたソフトウェアーによる簡便で明瞭な測定条件の設定と解析レポート
Quanpedia を用いる事で、SRMの測定メソッドにおける測定対象農薬の組合せ、保持時間調整等が簡便に行えるため、分析ニーズにあわせた分析条件の選択や変更、今後の指針値の変更や登録状況を踏まえた設定農薬の検査項目の増減にもスムーズな対応が可能です。
また、保持時間や定量値はもとより、TargetLynx での解析レポートが指針値からの許容範囲や複数イオンのモニターにおける定量/確認イオンの比率等を表示し、簡便で視覚的に明瞭なレポートを作成します。
システムソリューション
UPLC/TQD システム
■ システムチェックの自動化と操作性を向上したインターフェイス
■ ソフトウェアによる、システム最適化および定量分析メソッド開発の自動化
■ 各アプリケーション分野に対応するための、専用のアプリケーションマネージャ
■ 最小のベンチトップ型MS/MS
ゴルフ場農薬の一斉分析アプリケーションソリューション
■ LC/MS/MSを用いたゴルフ場農薬の多成分同時分析法