マイコトキシンは真菌類によって自然に産生される二次代謝産物です。様々なマイコトキシンが広い範囲の果物および穀物類を汚染する可能性があります。化学的に安定で異なる形態の分解に耐性をもつ、これらの化合物の多くは、in vivo での発癌性、エストロゲン性および免疫毒性を有することが知られています。そのため、世界的規模で規制が存在し、特定のマイコトキシンに対する許容値の設定に加え、サンプリングと分析法のテストが義務付けられています。真菌類の複数のマイコトキシンによって自然に汚染された複雑な食料品の分析は、非常に困難で時間を要します。したがって、関連するマイコトキシンおよび製品のための規制レベルを達成することができる迅速かつ高感度なスクリーニングツールが不可欠です。この分野では LC-MS が重要な役割を果たしているため、複数のマイコトキシンを同定するための分析法の開発が、非常に望まれています。しかし、主要なマイコトキシンの化学的および物理的性質の違いによって、試料調製が最も困難な課題となります。
様々なマイコトキシンによって自然に汚染される食品の汚染頻度を考えると、規制のあるマイコトキシンのシンプルかつ高感度な検出のための分析法が必要とされています。このアプリケーションノートでは、シンプルで高感度、そして費用対効果の高い分析法が、加工トウモロコシ抽出物中の 12 種の規制マイコトキシンの定量分析のために開発されました。単一のサンプル調製手順を使用して、すべての化合物が抽出され、容易に ACQUITY QDa 検出器で検出されました。このように、追加または時間のかかるサンプル調製の必要なく、単一の検出器での複数のマイコトキシンの迅速なスクリーニングが可能になりました。
マイコトキシンは真菌類によって自然に産生される二次代謝産物です。様々なマイコトキシンが広い範囲の果物および穀物類を汚染する可能性があります。化学的に安定で異なる形態の分解に耐性をもつ、これらの化合物の多くは、in vivo での発癌性、エストロゲン性および免疫毒性を有することが知られています。そのため、世界的規模で規制が存在し、特定のマイコトキシンに対する許容値の設定に加え、サンプリングと分析法のテストが義務付けられています。
EU 域内においては、デオキシニバレノール(DON)、フモニシン(B1 および B2)、アフラトキシン(B1、B2、G1 および G2)、オクラトキシン A およびゼアラレノンの最大許容レベルが、欧州委員会規制 1881/2006 および 1126/2007 で規制されています。最近では、T2 および HT2 毒素の合量に対する勧告が 2013/165 で出されました。さらに、サンプリングと分析法のパフォーマンスについては、規則 401/2006 に規定されています。その他に、現在は規制されていませんが、頻繁に DON との組み合わせで穀物類を汚染するフザリウム毒素であるニバレノール(NIV)の存在にも、このアプリケーションノートでは注意を払っています。
真菌類の複数のマイコトキシンによって自然に汚染された複雑な食料品の分析は、非常に困難で時間を要します。したがって、関連するマイコトキシンおよび製品のための規制レベルを達成することができる迅速かつ高感度なスクリーニングツールが不可欠です。この分野では LC-MS が重要な役割を果たしているため、複数のマイコトキシンを同定するための分析法の開発が、非常に望まれています。しかし、主要なマイコトキシンの化学的および物理的性質の違いによって、試料調製が最も困難な課題となります。
様々なマイコトキシンによって自然に汚染される食品の汚染頻度を考えると、規制のあるマイコトキシンのシンプルかつ高感度な検出のための分析法が必要とされています。このアプリケーションノートは、イムノアフィニティークリーンアップ法と単一の検出器を使用して、加工トウモロコシにおける複数のマイコトキシンの定量分析のためのシンプルかつ正確な分析法を開発することを目的としています。
LC システム: |
ACQUITY UPLC I-Class |
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分析時間: |
12 分 |
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カラム: |
CORTECS C18、1.6 µm、2.1×100 mm |
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移動相 A: |
0.1% ギ酸 2 mM 酢酸アンモニウム水溶液 |
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移動相 B: |
0.1% ギ酸 2 mM 酢酸アンモニウム含有メタノール |
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流速: |
0.4 mL/分 |
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注入量: |
10 µL |
時間(分) |
%A |
%B |
---|---|---|
初期値 |
99 |
1 |
7 |
50 |
50 |
10 |
1 |
99 |
11.5 |
1 |
99 |
11.6 |
99 |
1 |
14 |
99 |
1 |
MS システム: |
ACQUITY QDa |
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イオン化モード: |
ESI± |
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脱溶媒温度: |
600 ℃ |
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キャピラリー電圧: |
デフォルト(0.8 kV) |
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サンプリングレート: |
デフォルト(5 Hz) |
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SIR チャンネル: |
表 1 参照 |
粉砕試料 10 グラムから、水 40 mL、続いてメタノール 60 mL で高速混合することにより抽出しました。抽出液を濾過し、5 mL を窒素雰囲気下で約 2 mL まで濃縮しました。リン酸緩衝液 5 mL を加え、得られた溶液を VICAM Myco6in1+ イムノアフィニティーカラム(IAC)に負荷しました。カラムを 10 mL の水で洗浄し、目的のトキシン類を最初に水 2 mL で、続いてメタノール 3 mL で溶出しました。その後溶出液を穏やかな窒素気流中で乾固させ、10:90 (v/v) = メタノール:移動相 A 0.2 mL に再溶解しました。
無添加の穀物食品サンプルのブランクを、Myco6in1+ IAC を使用して調製しました。得られた溶出液に、検量線の中間点がそれぞれのマイコトキシンの許容レベルと等しくなる 5 点の検量線を作成するために混合マイコトキシン標準液を添加しました。それぞれのマイコトキシンの許容範囲となるように、中間点の上と下にそれぞれ 2 点ずつ標準液を添加しました。これらの標準品は乾固し、10:90 (v/v) = メタノール:移動相 A に再溶解しました。
Waters ACQUITY QDa 検出器は、標準的な条件で 12 種のマイコトキシンすべてに対する最適なパフォーマンスを得ることができました。それぞれの質量、コーン電圧およびエレクトロスプレーイオン化モードを、表 1 に示しました。
12 種のマイコトキシンすべての検量線範囲にわたって良好な直線性が得られました。クロマトグラフィーピークあたり最小でも 12 データポイントが、それぞれの化合物について得られました。必要な規制値と検量線範囲の異なる AFG1 と DON の直線性を図 1 に示します。DON の検量線範囲は 94.0 - 1500 µg/kg であるのに対して、アフラトキシンの規制値は低いため、AFG1 の検量線範囲は 0.125 - 4.0 µg/kg となっています。これらのすべての化合物について様々な検量線範囲にわたって直線性が得られたことは、検出器が複雑なマトリックス存在下でも、広いダイナミックレンジにわたって優れた堅牢性をもっていることを示しています。
規制基準値相当を添加したトウモロコシスナック食品のクロマトグラフィーの例を図 2 に示しました。各化合物は十分な感度で、優れたシグナル対ノイズ(S/N)比が得られています。4 種のアフラトキシンと 8 種のマイコトキシンすべてを、MS 検出器と組み合わせた LC によって容易に検出することができました。
シンプルで高感度、そして費用対効果の高い分析法が、加工トウモロコシ抽出物中の 12 種の規制マイコトキシンの定量分析のために開発されました。このアプリケーションノートでは、単一のサンプル調製手順を使用して、すべての化合物が抽出され、容易に ACQUITY QDa 検出器で検出されました。このように、追加または時間のかかるサンプル調製の必要なく、単一の検出器での複数のマイコトキシンの迅速なスクリーニングが可能になりました。
720005018JA、2016 年 11 月