法中毒学目的のみに使用してください。
このアプリケーションでは、バイオアナリシスおよび法中毒学で見られるさまざまな化合物を使用して、血漿および尿で用いる SPE、SLE、LLE などのサンプル前処理手法の包括的な比較を行いました。
Oasis PRiME HLB では、さまざまな被験薬物について、追加のメソッド開発を行うことなく、優れた回収率とマトリックス効果が実証されました。SLE や LLE では、すべての被験分析種について Oasis PRiME HLB と同等の回収率を得るには、追加のメソッド開発や複数の抽出プロトコルを必要としました。Oasis PRiME HLB の独特な性質により、コンディショニングと平衡化のステップが不要になり、抽出手順が簡素化されて、サンプル前処理ワークフローが加速化されました。µElution フォーマットを使用することで、蒸発乾固や再溶解を行わずに抽出液の直接注入が可能になりました。
固相抽出(SPE)は、液体マトリックス中に溶解または懸濁されている化合物を、その物理的性質および化学的性質によって抽出するサンプル前処理手法です。逆相 SPE 吸着剤は、ポリマーベースまたはシリカベースのいずれかが利用できます。いずれの場合も、化合物は主に疎水性相互作用によって吸着剤に保持されます。洗浄ステップは、マトリックス干渉物の除去に役立ちます。有機溶媒により分析種を溶出することができます。これにより、分析種と吸着剤の相互作用が妨げられます1,2。Waters Oasis PRiME HLB は新型の逆相 SPE 吸着剤であり、よりシンプルかつ迅速な SPE プロトコルを可能にすると同時に、シンプルで汎用的な 3 ステッププロトコルにより、他のサンプル前処理メソッドよりもきれいな抽出物が得られるように開発されました。
液-液抽出(LLE)では、非水混和性溶媒を使用して、水溶液から分析種を抽出します。通常は、振とうしてから、目的の分析種を含む溶媒層を回収します。
保持型液-液抽出(SLE、別名固体保持型液-液抽出(SSLE))は、従来の液-液抽出(LLE)と類似しており、同じ非水混和性溶媒システムを利用して水溶液から分析種を抽出します。SLE では、LLE のように 2 つの非水混和性相を一緒に振とうするのではなく、水系サンプルを不活性の支持体に固定し、有機相を支持マトリックスを通して流して、ターゲットの分析種を抽出します3。
このアプリケーションノートでは、バイオアナリシスおよび法中毒学向けに、血漿マトリックスと尿マトリックスの両方について、Oasis PRiME HLB SPE、SLE、LLE の間の比較を行いました。血漿では、よく分析が行われる 22 種の医薬品、ステロイド、乱用薬物を、前述の 3 つのメソッドを使用して抽出し、結果を比較しました。尿では、オピオイド、刺激薬、ベンゾジアゼピン、合成カンナビノイド代謝物に代表される 23 種の乱用薬物を試験して法中毒学分析を行いました。
比較は主に、手順のシンプルさ、分析種の回収率、マトリックス効果(ME)について行いました。これら 3 種類の手法の背後にあるメカニズム、およびそれぞれのパフォーマンスに及ぼす影響についても説明しています。Oasis PRiME SPE は、いずれのマトリックスにおいてもすべての被験分析種にわたって、非常に高く一貫した回収率と優れたマトリックス効果を示します。SLE や LLE では、尿サンプル中の極性の塩基性分析種と血漿サンプル中の酸性分析種の回収率が低いことがわかりました。次に、LLE メソッドおよび SLE メソッドをこれらの特定の化合物について最適化したところ、問題のある分析種の回収率は正常に改善できましたが、他の分析種が犠牲になりました。単一のメソッドで血漿サンプルおよび尿サンプルからすべての分析種を正常に抽出することができたのは Oasis PRiME HLB のみでした。
RCS-4 M10、RCS-4 M11、JWH-073 4-COOH、JWH-073 4-OH、JWH-018 5-COOH は、Cayman Chemical(ミシガン州アナーバー)から購入しました。その他の化合物および代謝物はすべて、Cerilliant(テキサス州ラウンドロック)から購入しました。
個々のストック標準溶液(1 mg/mL)はメタノール、DMSO、50:50 DMSO:メタノール中に調製しました。すべての化合物の混合ストック溶液(5 µg/mL)はメタノール中に調製しました(ナプロキセンのみ 50 µg/mL)。作業用溶液は、標準試料をマトリックス(血漿および尿)に用時スパイクし、目的の濃度まで段階希釈することにより調製しました。
血漿では、さまざまなアプリケーション分野で使用される酸性化合物(ナプロキセン)、塩基性化合物(ほとんどの分析種)、中性化合物(フェナセチン、17 α-OH プロゲステロン)を含む 22 種の薬物を分析しました。尿では、オピオイド、刺激薬、ベンゾジアゼピン、合成カンナビノイド代謝物に代表される 23 種の乱用薬物を試験しました。
LC システム: |
ACQUITY UPLC I-Class、(FL) |
カラム: |
CORTECS C18、1.6 µm、2.1 × 100 mm |
移動相 A: |
0.1% ギ酸水溶液 |
移動相 B: |
0.1% ギ酸アセトニトリル溶液 |
流速: |
0.6 mL/分 |
グラジエント: |
表 1 参照 |
カラム温度: |
40 ℃ |
サンプル温度: |
10 ℃ |
強ニードル洗浄溶媒: |
2 % ギ酸含有 70:30 アセトニトリル:水 |
弱ニードル洗浄溶媒: |
1% ギ酸含有 5:95 アセトニトリル:水 |
注入モード: |
パーシャルループ(ニードルオーバーフィル使用) |
注入量: |
2 ~ 5 μL |
時間(分) |
プロファイル %A |
プロファイル %B |
曲線 |
---|---|---|---|
0 |
95 |
5 |
|
2 |
75 |
25 |
6 |
6 |
50 |
50 |
6 |
6.1 |
30 |
70 |
6 |
7 |
5 |
95 |
6 |
7.5 |
95 |
5 |
6 |
9 |
95 |
5 |
6 |
MS システム: |
Xevo TQ-S |
イオン化モード: |
ESI+ |
キャピラリー電圧: |
3.0 kV |
脱溶媒温度: |
500 ℃ |
コーンガス流量: |
150 L/時間 |
脱溶媒ガス流量: |
1,000 L/時間 |
モニターした MRM トランジション: |
表 2 を参照 |
この評価で Oasis PRiME HLB で使用したプロトコルは、汎用的な 3 ステップのロード-洗浄-溶出プロトコルでした。マトリックスに応じて、400 µL の血漿を 4% リン酸で 1:1 希釈するか、400 µL の加水分解尿を 4% リン酸で 1:1 に希釈し、Oasis PRiME HLB µElution プレートに直接ロードしました。いずれのマトリックスでも、コンディショニングや平衡化は不要でした。次に、200 µL の 5% メタノールで 2 回洗浄し、25 µL の 90:10 アセトニトリル:メタノールで 2 回溶出しました。続いて、溶出液を 100 µL の水で希釈し、ボルテックスした後、蒸発乾固や再溶解を行わずに LC-MS システムに直接注入しました。
SLE では、目的の分析種に応じて、ロード前に生体サンプルを希釈するために複数の希釈バッファーおよび抽出溶媒が推奨されています。この研究の目的は、単一のメソッドですべての化合物をターゲットにできるメソッドを比較することであり、成功する可能性が最も高いプロトコルを評価しました。この評価用に選択したプロトコルは、混合物中で多数を占める中性および塩基性の分析種用に設計されたものです。血漿サンプルの場合、400 µL の希釈済み血漿(ラット血漿 200 µL + 水 200 µL)を、400 µL のサンプルロード用に厳密に設計された競合他社製の SLE プレートにロードしました。ロードは、弱い真空(約 3 psi)を 2 ~ 5 秒間適用し、サンプルが支持体マトリックスに完全に吸着されるまで 5 分間待つことによって開始しました。分析種の抽出を開始するには、800 µL の抽出溶媒(MTBE:メチル tert-ブチルエーテル)を適用し、重力によって 5 分間にわたってマトリックスに送液しました。真空(10 psi)を再度 10 ~ 30 秒間適用して、溶出を完了しました。次に、さらに 800 µL の MTBE を添加して、この抽出ステップを繰り返しました。LC-MS 分析との適合性を確保するとともに分析種を濃縮するため、抽出液を 40 ℃ の 窒素ガスフロー下で蒸発乾固させた後、200 µL の 30% アセトニトリル(ACN)に再溶解しました。尿サンプルについては、2 種類の類似した前処理プロトコルを使用しました。200 µL の加水分解尿を水または 0.5 M 水酸化アンモニウムで 1:1 希釈しました。次に、サンプルを SLE プレートにロードし、上記のように血漿サンプルを処理しました。
LLE の場合、実験は 1 本の 2 mL 遠心分離チューブを用いて行いました。LLE と SLE はメカニズムが類似しているため、同様のプロトコルを使用しました。LLE 実験では、400 倍希釈した血漿または加水分解尿のいずれかに、1000 µL の MTBE を添加しました。SLE の場合と同様に、血漿サンプルは 200 µL の水で希釈しました。200 µL の加水分解尿サンプルを 200 µL の水または 200 µL の 0.5 M 水酸化アンモニウムで希釈しました。次にサンプルを 5 分間ボルテックスした後、11000 rcf で 5 分間遠心分離しました。上層をコレクションプレートに移し、窒素ガスフロー下で 40 ℃ で蒸発乾固させ、200 µL の 30% アセトニトリル(ACN)に再溶解しました。
すべてのサンプル/手法における尿の加水分解:200 µL のスパイク済み尿を、160 µL の水および 40 µL の β-グルクロニダーゼ酵素(Roche、E. coli)と室温で 30 分間混合して、酵素的加水分解をシミュレーションしました。
分析種の回収率は下記の式で計算しました:
%回収率 =(面積 A/面積 B)x 100%
ここで、A は抽出サンプルのピーク面積値を表しており、B は抽出後に分析種を添加したマトリックスサンプルのピーク面積値を表します。
マトリックス効果は、マトリックス効果 = ((マトリックス有りのピーク面積 /マトリックス無しのピーク面積)-1) × 100% の式によって計算しました。
マトリックス有りのピーク面積は、抽出後に化合物を添加したマトリックスサンプルのピーク面積を指します。マトリックス無しのピーク面積は、純溶媒溶液中の分析種のピーク面積を指します。
図 1 に、20 ng/mL の抽出血漿サンプルで得られたすべての化合物の代表的なクロマトグラムを示します。尿のクロマトグラフィーを図 2 に示します。CORTECS UPLC C18 カラム(90Å、1.6 µm、2.1 × 100 mm)を使用することで、すべての分析種を 6.5 分以内に分析できました。すべての化合物について、ピーク形状が優れており、顕著なテーリングや非対称性がなく、ピーク幅はすべてベースラインからの高さ 5% の位置で 3 秒未満でした。メタンフェタミンやフェンテルミンなど、MRM トランジション(150 > 91)が同じで、干渉する可能性のある化合物はすべてベースライン分離されていました。
図 3 に、SPE、SLE、LLE の抽出プロトコルおよび解析時間の詳細を示します。96 種の血漿サンプルの前処理に必要な時間の合計は、Oasis PRiME HLB では 15 分、SLE では 40 分、LLE では 60 分でした。Oasis PRiME HLB では、シンプルで汎用的な 3 ステップ SPE 手法を使用して、(µElution フォーマットで)蒸発乾固・再溶解を必要とせずに塩、タンパク質、リン脂質が除去されますが、SLE や LLE では、異なる分析種のクラスごとに、異なるサンプル前処理や抽出溶媒を使用したメソッド開発が必要になります。SLE では、ロード後、サンプルを支持マトリックスに完全に吸着させるために 5 分間待つ必要があります。また、抽出溶媒を適用した後、分析種が抽出溶媒と相互作用できるように、さらに 5 分間待つ必要があります。抽出ステップで非水混和性溶媒を使用するため、LC-MS 分析では蒸発乾固および再溶解が必要になります。さらに、SLE のサンプルロードステップでは、非常に弱い真空(約 3 psi)を 2 ~ 5 秒間適用することにより送液を開始させます。これは非常に微妙であり、完璧に行うには時間をかけて練習する必要があります。開始時間が短すぎたり(2 ~ 5 秒未満)圧力が低すぎたりすると、水系サンプルを吸着剤に正常に固定することができません。時間が長すぎたり圧力が高すぎたりすると、血漿サンプルが直接に溶出して溶出液が白濁し、マトリックス係数が増大します。SLE や LLE では、非水混和性の抽出溶媒を使用すると、フリットやプレートから不純物が抽出されて抽出溶液が汚染される場合もあります。さらに、MTBE などの抽出溶媒は、オペレーターの健康と環境の両方に悪影響を与えます。
Oasis PRiME HLB では、シンプルな 3 ステップの SPE プロトコルを用いることで、すべての被験分析種にわたって一貫した優れた回収率が得られ、平均回収率は 98±8% でした(図 4A)。すべての試験で回収率は 75 ~ 110% の範囲内でした。SLE では、中性および塩基性の薬物については良好な回収率が見られましたが、ナプロキセンや合成カンナビノイド(JWH-073)の COOH 代謝物などの酸性分析種では回収率が不良でした。平均回収率は 89 ±7% でした。LLE では、すべての分析種の回収率が 80% 未満であり、平均回収率は 70 ± 10% でした。実験では抽出を 1 回しか行わなかったため、抽出効率が低くなった可能性があります。2 回目の抽出を行うことにより、回収率が増加する可能性がありますが、その場合、解析時間も増加します。以前の研究により、追加の抽出がマトリックス効果の増大の原因になる可能性があることも示されています。SLE や LLE では、中性および塩基性の分析種向けの抽出メソッドを選択しました。ナプロキセン、JWH-073 4-COOH、JWH-018 5-COOH などの酸性分析種は、ほとんど回収されませんでした(回収率 30% 未満)。SLE や LLE での酸性分析種の回収率を改善するには、さらなるメソッド開発またはサンプル前処理や緩衝化などの別のプロトコルが必要になると考えられます。ただし、それにより塩基性薬物の回収率に悪影響を及ぼす可能性があります。このような条件下では、Oasis PRiME HLB のみが単一のプロトコルで塩基性、中性、酸性の各化合物を完全に抽出することができました。
Oasis PRiME HLB の全体的なマトリックス効果は、SLE や LLE を下回っていました(図 4B)。Oasis PRiME HLB のマトリックス効果はすべて 20% 未満でしたが、SLE では 22 種の薬物うち 17 種、LLE 処理では 22 種のうち 7 種でマトリックス効果が 20% を超えています。Oasis PRiME HLB のマトリックス効果の平均の大きさはわずか 6% で、SLE では 26%、LLE では 16% でした。さらに、LLE ではマトリックス効果がよりばらついていました。マトリックス効果の標準偏差値は、SPE では 1.4 ~ 8.8%、SLE では 1.9 ~ 10.3%、LLE では 2.6 ~ 28.3% の範囲でした。Oasis PRiME HLB での 3 ステッププロトコルにより、塩、タンパク質、リン脂質が除去されており、多様な複数のクラスの 22 種の薬物すべてについて、マトリックス効果が最小限で非常にきれいな最終抽出物が得られました。SLE 抽出物で見られた高いマトリックス効果は、同じサンプルと抽出溶媒を使用した LLE 抽出物では見られなかったことから、SLE 吸着剤から抽出された不純物に起因する可能性があります。あるいは、単に SLE では LLE に比べてより効率的な抽出が行われた結果であるとも考えられます。LLE では、尿中の分析種がより効果的に抽出されると考えられることから、イオン化抑制に寄与する可能性のある他の成分も抽出される可能性があります。
全体として、Oasis PRiME HLB では、サンプルマトリックスに広範な化合物が含まれている場合に、優れた回収率が示され、マトリックス効果が最小限に抑えられていました。この場合、さまざまな極性の酸性化合物(ナプロキセンおよび合成カンナビノイドの代謝物)、塩基性化合物(ほとんどの薬物)、中性化合物が含まれます。SLE では、中性分析種および塩基性分析種については許容可能な回収率が得られましたが、マトリックス効果がはるかに高くなりました。LLE では、抽出効率が限られているため、回収率が低下しました(SPE や SLE と比較して、回収率が 10 ~ 20% 低い)。LLE では、特にフルニトラゼパムやプロプラノロールなどの化合物で、マトリックス効果に大きいばらつきが見られました。SLE 抽出や LLE 抽出を使用すると、酸性分析種はこの単一の手順では効率的に回収できず、酸性分析種の回収率を改善するにはさらなるメソッド開発が必要です。
刺激薬、オピオイド、ベンゾジアゼピン、ベンゾイルエクゴニン(BZE)、合成カンナビノイド代謝物を含む 23 種の乱用薬物の幅広いパネルを、SPE、SLE、LLE を用いて加水分解および抽出しました。図 5 に示すように、Oasis PRiME HLB の汎用の 3 ステッププロトコルを使用することで、一貫した高い回収率が得られました。23 種の被験薬物のうち 21 種の回収率が 75% 超であり、全体的な平均回収率は 86% ± 6.6% でした。SLE および LLE 抽出用の 2 種類の抽出プロトコルを、「試料および分析法」セクションの記載の通りに実行しました。サンプルを水で希釈した場合(図 5A)、SLE では、ほとんどのアミン刺激薬やノルフェンタニルなどの親水性塩基性分析種を除き、多くの薬物で良好な回収率が見られました(回収率は 60% 未満)。LLE は SLE と同様の傾向を示しましたが、回収率ははるかに低い値になりました。0.5 M 水酸化アンモニウムで尿サンプルの pH を 11 に調整した後で SLE 抽出および LLE 抽出を行うと、極性アミンの回収率が大幅に向上しました(図 5B)。ただし、その代償として、カルボキシ代謝物である JWH-073 や JWH-018 などのより酸性の強い化合物の回収率が低下しました。Oasis PRiME HLB とは異なり、SLE や LLE の単一のプロトコルでは、サンプルからすべての分析種を許容可能な回収率で抽出することができませんでした。
Oasis PRiME HLB、SLE、LLE でのマトリックス効果はほぼ同等です(図 6A)。SPE、SLE、LLE でのマトリックス効果の絶対平均値はそれぞれ 12、12、17 であり、すべて許容範囲内に収まっています。3 種類の抽出手法のいずれを使用した場合も、化合物の大部分でマトリックス効果が 20% 以内でした。尿の pH を水酸化アンモニウムで調整すると(図 6B)、SLE のマトリックス効果は平均 25% に増大しましたが、LLE のマトリックス効果は比較的低いままに留まり、絶対値の平均値は 14% でした。
このアプリケーションでは、バイオアナリシスおよび法中毒学で見られるさまざまな化合物を使用して、血漿および尿で用いる SPE、SLE、LLE などのサンプル前処理手法の包括的な比較を行いました。Oasis PRiME HLB では、法中毒学向けにシンプルな 3 ステップのプロトコルを使用しており、SLE や LLE と比較して、抽出時間がそれぞれ 60% および 75% 短縮されました。Oasis PRiME HLB は、さまざまな被験薬物について、追加のメソッド開発を行うことなく、優れた回収率とマトリックス効果を示しました。SLE や LLE では、すべての被験分析種について Oasis PRiME HLB と同等の回収率を得るには、追加のメソッド開発や複数の抽出プロトコルを必要としました。Oasis PRiME HLB の独特な性質により、コンディショニングと平衡化のステップが不要になり、抽出手順が簡素化されて、サンプル前処理ワークフローが加速化されました。µElution フォーマットを使用することで、蒸発乾固や再溶解を行わずに抽出液の直接注入が可能になりました。
720006060JA、2017 年 8 月