• アプリケーションノート

LC-MS 分析のための Andrew+ 自動ミックスモード SPE 吸着剤選択メソッドの開発

LC-MS 分析のための Andrew+ 自動ミックスモード SPE 吸着剤選択メソッドの開発

  • Melvin Blaze
  • Waters Corporation



Andrew+ ピペッティングロボットについてもっと詳しく知りたいですか?

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要約

複雑な生体サンプルの液体クロマトグラフィー-質量分析(LC-MS)では多くの場合、サンプルマトリックスから不要な成分を除去するために徹底的なサンプルクリーンアップが必要です。これを行わないと、これらの成分が分析に悪影響を及ぼし、多くの場合、MS イオンシグナルの抑制または増強につながります。ミックスモード固相抽出(SPE)は、LC-MS 分析用に一般的に使用されるサンプル前処理法です。ただし、ミックスモード SPE メソッドの開発は困難な作業になる場合があります。どこから始めればいいのか、どの吸着剤を選べばいいのか分からないというのは、気が遠くなるかもしれません。さらに複雑さを増加するのは、ほとんどの SPE ワークフローに、サンプル、試薬、溶媒のピペッティングおよび移送のいくつかの手順が含まれていることです。高価なリキッドハンドリング装置によるこれらのピペッティングおよび移動のワークフローの自動化には、多くの場合複雑なプログラミングが必要であり、この作業には専門のトレーニングを受けた専任の担当者が必要です。ワークフローを手動で実施するのは非常に面倒で、エラーが発生しやすく、再現性のある結果を得るには優れた分析スキルが必要です。このアプリケーションブリーフでは、使いやすいブラウザーベースのソフトウェアである OneLab を使用して接続および操作する Andrew+ ピペッティングロボットを用いる、迅速で信頼性が高く、再現性のあるミックスモード SPE 吸着剤選択メソッドを開発するための、自動 SPE ワークフローについて説明します。Waters Oasis 96 ウェル μElution プレートを使用して、スパイクしたヒト血漿から 5 種類の分析種を抽出することで、Andrew+ 自動ミックスモードによる SPE 吸着剤の選択の容易さが実証されています。

アプリケーションのメリット

  • Andrew+ ピペッティングロボットによる自動化を使用して、ミックスモード SPE 吸着剤の選択プロセスを簡素化した結果、熟練ユーザーを必要とせずに分析種の最適な回収を達成する、迅速で信頼性が高く再現性のあるメソッドが開発された
  • Andrew+ ピペッティングロボットは、ラボ環境で一般的に使用される実験器具に対応し、セットアップや実行が簡単
  • μElution プレート型式での、ミックスモード SPE 吸着剤選択のワークフロー全体に適用しやすい OneLab プロトコル
  • IKA VACSTAR コントロール真空ポンプ(IKA Works Inc.、USA)が接続され、Andrew+ ピペッティングロボットによってコントロールされる SPE 真空マニホールドにより、プロトコル中のロード、洗浄、溶出ステップそれぞれでの高精度な圧力コントロールを確保
  • SPE ワークフローのロード、洗浄、溶出ステップは自動化されており、手動での介入が必要なのは、プロトコルの洗浄ステップと溶出ステップの間での、真空マニホールドからの SPE サンプルコレクションプレートの交換のみ
  • Oasis 2x4 SPE 吸着剤選択メソッドの開発ワークフローを自動化することで、再現性のある結果が得られるとともに、分析者の手動作業を約 2 ~ 3 時間削減

はじめに

LC-MS を使用する複雑な生体サンプルの定量分析では、サンプルを徹底的にクリーンアップし、共溶出してターゲット分析種の定量に悪影響を及ぼす可能性のある不要なマトリックス成分を除去する必要があります。吸着剤が逆相およびイオン交換の両方の特性を示すミックスモード SPE は、効果的で実証済みのサンプルクリーンアップ手法です。ただし、分析種を定量するためのミックスモード SPE メソッドを開発することは、面倒なプロセスです。最適な吸着剤を選択して不要なマトリックス成分を効果的に除去し、最大限の分析種回収を可能にするには、ターゲット分析種と SPE 吸着剤の両方の物理的および化学的特性を熟知している必要があります。 

Waters Oasis 96 ウェル μElution プレート(製品番号:186004475)により、この吸着剤選択プロセスが簡素化されます。このプロセスでは、4 種類のミックスモードイオン交換吸着剤ケミストリー(MCX、MAX、WAX、WCX)すべてが単一のプレート型式に含まれ、最適化された実証済みの 2 種のプロトコル(2x4 吸着剤選択メソッド)(製品番号:WA60090)を使用して、優れた SPE メソッドが開発されます。このように、これらのプロトコルを組み合わせた Oasis メソッド開発プレートにより、ミックスモード SPE 吸着剤を選択するための合理的で簡素化されたソリューションが実現し、分析種の高い回収率を確実に得られます。さらに、この Oasis 2x4 吸着剤選択プロトコルの自動化には、使いやすいブラウザーベースの OneLab Software によってコントロールおよびプログラムされる Andrew+ ピペッティングロボットが使用されており、吸着剤選択メソッドの開発全体が迅速、正確、再現可能かつ頑健になります。 

このアプリケーションブリーフでは、イオン交換保持用の 4 種の分析種(イミプラミン、1-デカンスルホン酸、ケトプロフェン、およびバレタメート)、および逆相保持用の 1 種の分析種(プレドニゾン)をスパイクしたヒト血漿を使用した、迅速かつ正確で、再現性のある頑健なミックスモード SPE 吸着剤選択メソッドの開発を紹介します。

実験方法

以下の手順は、特に指定されていない限り、Andrew+ によって実行されます。

  • Andrew+ ワークベンチは、OneLab で提供されたガイダンスに基づいて手動で準備されます(図 2 参照)。
  • 自動化されたワークフローは、SPE 真空マニホールドの初期真空セットアップから始まります。この場合、IKA VACSTAR コントロール真空ポンプが自動的に 1 分間オンの状態になり、ユーザーは、目視点検で圧力が 1 分間で 700 mbar に達することを確認できます。これは、SPE、および SPE 真空マニホールドに挿入された廃液プレートで行われます。
  • 続いて、SPE プロトコルのコンディショニングおよび平衡化ステップが実行されます。このステップでは、200 μL のメタノールと水をそれぞれ SPE プレートにピペッティングし、コンディショニングステップおよび平衡化ステップに対応する真空プロファイルが適用されます。
  • 事前にスパイクした事前処理済み血漿(吸着剤 MCX および WAX については 4% H3PO4 で、吸着剤 WCX および MAX については 4% NH4OH で、それぞれ 1:1 に希釈した、分析種をスパイクした血漿)および事後にスパイクした添加処理済み血漿(吸着剤 MCX および WAX については 4% H3PO4 で、吸着剤 WCX および MAX については NH4OH で、それぞれ 1:1 に希釈した、ブランク溶媒をスパイクした血漿)のサンプルを、SPE プレートに 4 回繰り返しロードし、ロードステップの真空プロファイルを適用します。
  • プロトコル-1 と プロトコル-2 の両方で、洗浄溶媒(2% ギ酸水溶液および 5% 水酸化アンモニウム水溶液)をそれぞれ SPE プレートの適切なウェルに移し、対応する真空プロファイルを適用します。
  • 洗浄ステップの後、ユーザーの操作が必要という旨のプロンプトが表示され、SPE マニホールド内の廃液コレクションプレートを ELUTE-1 コレクションプレートに交換するようにユーザーに求めます。
  • 次に、プロトコル-1 と プロトコル-2 の両方について、ELUTE-1 溶媒(メタノール)を SPE プレートの適切なウェルにピペッティングし、対応する真空プロファイルを適用します。このピペッティングおよび真空適用は 2 回行います(注:ELUTE-1 は、SPE 吸着剤の逆相メカニズムによって分析種が保持されている場合にのみ回収されます)。
  • ELUTE-1 ステップの後、ユーザーの操作が必要という旨のプロンプトが表示され、SPE マニホールド内の ELUTE-1 コレクションプレートを ELUTE-2 コレクションプレートに交換するようにユーザーに求めます。
  • 次に、溶出溶媒(プロトコル-1 には 5% 水酸化アンモニウムメタノール溶液、プロトコル-2 には 2% ギ酸メタノール溶液)を SPE プレートの適切なウェルにピペッティングし、対応する真空プロファイルを適用します。このピペッティングおよび真空適用は 2 回行います。
  • ELUTE-2 ステップが完了すると、ユーザーの操作が必要という旨のプロンプトが表示され、溶媒または標準試料の事後スパイクのために ELUTE-1 と ELUTE-2 のコレクションプレートを手動で維持するようにユーザーに求めます。
  • 事後スパイク後、ELUTE-1 および ELUTE-2 のプレートを 1,200 rpm で 15 分間ボルテックス混合し、LC-MS で分析します。

結果および考察

Oasis 2x4 SPE 分析法開発ワークフロー(図 1)は、Andrew+ ピペッティングロボット、およびラボ環境で一般的に使用されている実験器具を使用して自動化されており、簡単にセットアップおよび実行できます。

図 1.  メソッド開発用の Oasis 2x4 SPE 吸着剤選択プロトコル
図 2.  Oasis 2x4 SPE 吸着剤選択メソッドを自動化するための Andrew+ ピペッティングロボットワークベンチの OneLab でのレイアウトと設定

ワークフローに必要な溶媒、試薬、およびスパイク済みヒト血漿サンプルは、Andrew+ プロトコルの実行前に手動で調製します。

図 3 に、Andrew+ 自動 Oasis 2x4 SPE 吸着剤選択メソッドを使用して、4 種の吸着剤ケミストリーすべてにより得られた、スパイク済みのヒト血漿サンプルからの分析種の回収率が示されています(イオン交換に基づく MCX、WAX、MAX、WCX 吸着剤によってそれぞれ保持されるイミプラミン、1-デカンスルホン酸、ケトプロフェン、バレタメートおよび逆相メカニズムによって保持されるプレドニゾン)。これにより、2 ~ 3 時間かかる手作業が削減される、良好な再現性を示す迅速で簡単な吸着剤選択メソッド開発が実証されています。

図 3.  4 種の Oasis ミックスモード SPE 吸着剤に対する、プロトコルの(A) ELUTE-2 および(B) ELUTE-1 のステップを使用した、4 回繰り返しスパイク済みヒト血漿からの分析種の回収率

結論

自動ミックスモード SPE 吸着剤選択メソッドの開発ワークフローは、Andrew+ ピペッティングロボットの使用により、ミックスモード SPE による優れた再現性に加えて、分析種回収のための迅速かつ信頼性が高く、簡単なメソッド最適化が可能であることが実証されています。

参考文献

  1. Oasis 2x4 Method: Proof of Concept.Waters Application Note, WA60090, June 2007.
  2. Oasis Sample Extraction Products: Methodology.Waters Application Note, 720003679, September 2010.

720007302JA、2021 年 6 月

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