• アプリケーションノート

FDA 承認低分子薬物ライブラリーに含まれる成分の保持時間、プロダクトイオン、CCS の特性解析

FDA 承認低分子薬物ライブラリーに含まれる成分の保持時間、プロダクトイオン、CCS の特性解析

  • Michael McCullagh
  • Jeff Goshawk
  • Russell J. Mortishire-Smith
  • Waters Corporation

要約

FDA が承認した一連の低分子医薬品を使用して、UPLC-IM-MS ライブラリーを作成しました。これには、ES+ モードで 1,343 件のエントリー、および ES- モードで 950 件のエントリーについての保持時間 tr、プリカーサーイオン、CCS 値が含まれています。イオンモビリティーで強化された質量分析ライブラリーには、従来の質量分析ライブラリーと比較して、さらなる累積特異性が取り入れられています。これらを使用することにより、複雑なマトリックス中での同定において誤検出の割合が下がり、信頼性を高めることができます。

ノンターゲットスクリーニングアプローチを実施し、CCS 値を保持時間、プリカーサーイオン、プロダクトイオンとともに使用して、ヒト尿サンプルを評価しました。生体外異物である外因性成分のカルバマゼピン、カルバマゼピン-10,11-エポキシド、アセトアミノフェン、並びに様々な内因性マトリックス成分が同定されました。作成した質量分析ライブラリーと比較した結果、ΔCCS 値 1% 未満がルーチンに得られ、プロダクトイオンのカウント 1 以上および質量精度 5 ppm 未満で同定が確認されました。解析後ワークフローにより、最初の 60 件の検出結果について偽陽性のマッチングが可能になり、フィルタリングの結果、同定化合物が 5 件に絞られました。

ヒト尿の複雑な生体マトリックスサンプルのノンターゲットスクリーニングを使用して、作成した大規模ライブラリーの検証を行いました。作成したライブラリーにより、医薬品の生体外異物モニタリングのためのノンターゲットスクリーニングが容易になります。

アプリケーションのメリット

  • イオンモビリティーを使用した多要素検証質量分析ライブラリーにより、従来の質量分析ライブラリーと比較して、更なる特異性が得られる
  • 複雑なマトリックスの同定において、誤検出が減り信頼性が向上
  • イオンモビリティーデータを取り込まないアッセイに、ライブラリー tr、プリカーサーイオン、プロダクトイオンの情報を適用できる

はじめに

四重極飛行時間型質量分析計(Q-TOF)などの高分解能質量分析計(HRMS)は、尿や血液など、複雑な生体マトリックスに含まれる対象成分の臨床、法中毒学、代謝物構造推定におけるスクリーニングツールとして普及が進んでいます1,2。 ノンターゲット「フルスキャン」データ取り込みを使用することで、単一の分析で何千件もの検出を行い、続いて過去に遡ってターゲットデータ分析を行うことができます。世界的により高いサンプルスループットの向上が求められており、時間効率の向上やコスト削減への要求から、多成分化合物分析への移行が進んでいます。このアプローチは農薬、マイコトキシン、天然植物毒素3、有機汚染物質4,5 の分析に使用されていますが、これらは、食品6 から廃水などの環境サンプルに至るまで、複雑なサンプルマトリックス中にも含まれています7,8。スクリーニング法の目的は、調査対象サンプルに含まれるターゲット化合物を、誤検出率をできる限り最低限に抑えつつ、迅速に検出して同定することにあります。精密質量、同位体パターン、プロダクトイオンスペクトルなど、測定した化合物の特性を使用し、適切なフィルターを適用して、サンプル中における化合物の有無を判定しました。一方、複雑な生体マトリックス中に低濃度で存在する対象化合物については、これらの特性のみを使用してマトリックスや分析種を同定することは困難で、さらなる分析法開発戦略が必要になる可能性があります。このような複雑な分析では、新しい次元の IM 分離により、分析上の課題が軽減するとともに、衝突断面積(CCS)により追加の同定の特異性が得られます。

以前報告された質量分析ライブラリー作成戦略を使用し9、超高速高分離液体クロマトグラフィー-イオンモビリティー質量分析(UPLC-IM-MS)を用いて、市販 FDA 承認薬のセットを分析しました。使用する戦略により、保持時間(tr)、プリカーサーイオン、プロダクトイオン、CCS の決定が可能になります。IM 装置が製品化されたことにより(ウォーターズコーポレーション:SYNAPT(2006 年)、Vion(2015 年)、Cyclic IMS(2018 年))、査読済み論文の数が増加しました(2014/2015 年時点で 1,250 件以上)10-11。例えば農薬スクリーニングアッセイなどで、同定の特異性を補助する追加のエンドポイントとして CCS を使用する分析戦略が開発されています12。それ以来、低分子分析における CCS のルーチン使用が、医薬品(代謝、メタボロミクス、脂質)、食品安全性(動物用医薬品、マイコトキシン、ステロイド、天然物のスクリーニング、天然毒素)など、多様な分野にわたって増加しています。CCS で検索できるライブラリーが作成され、CCS の指標を使用して、同定における累積特異性を向上させるとともに誤検出を減らすことができます。天然物ライブラリーおよび食品添加物ライブラリーの作成については、CCS 測定の長期的頑健性および再現性の評価とともに、最近紹介しました14-17

UPLC-IM は、イオンモビリティー(MS 分析前の気相分離)と UPLC(中性分子種の分離)の組み合わせで構成されています18,19。 UPLC(秒)、IMS(ミリ秒)、飛行時間型 MS(マイクロ秒)の時間スケールは、複雑なサンプルのハイスループット分析の要件に対応しています。化合物のイオンモビリティー分離は、質量分析部の前のガスを充塡した進行波イオンモビリティー(TWIM)RF イオンガイド内で、気相イオンが分離されることによって行われます。不活性バッファーガス(窒素)を介してイオンパケットを駆動させるか、比較的弱い電場を使用することで、移動度の分離を行います。イオンとバッファー気体の間の衝突の回数により、ドリフト時間の差が生じます。結果として得られる分離は、RF イオンガイドに沿った DC パルスの繰り返し印加に基づいています。イオンは周期的にパルスまたは波に追い越され、モビリティーが小さい分子種はモビリティーが大きい分子種より追い越される頻度が高くなります。このため、デバイスを通過する時間がモビリティーにより左右され、イオン質量、電荷、形状などの要因の関数になります。イオンモビリティーにより、LC(疎水性)および MS(m/z)に対して 3 次元目の分離が得られます。

FDA が承認した低分子医薬品の大規模なライブラリーを生成し、これを使用して、患者サンプルのノンターゲット尿スクリーニングを実施し、投与した医薬品化合物を同定しました。

実験方法

サンプルの説明

ヒト尿サンプルを水で 10:1 に希釈します。

サンプルは薬物投与の 6 時間後に採取しました。

カルバマゼピン投与量:2 × 200 mg 錠

アセトアミノフェン投与量:2 × 500 mg 錠  

LC 条件

LC システム:

ACQUITY UPLC I-Class

バイアル:

LCMS 品質証明透明ガラス 12 × 32 mm スクリューネックトータルリカバリーバイアル、キャップ付きおよびスリット入り PTFE/シリコンセプタム付き、容量 1 mL、[600000671CV]

カラム:

ACQUITY UPLC HSS T3 C18(100 mm ×2.1 mm、1.8 μm)カラム

カラム温度:

40 ℃

サンプル温度:

4 ℃

注入量:

10 μL

流速:

0.5 mL/分

移動相 A:

0.1% ギ酸水溶液(v/v)

移動相 B:

0.1% ギ酸アセトニトリル溶液(v/v)

グラジエントテーブル

MS 条件

MS システム:

SYNAPT G2-Si

イオン化モード:

ESI+

取り込み範囲:

m/z 50 ~ 1200

取り込み速度:

10 スペクトル/秒

キャピラリー電圧:

1.5 kV

脱溶媒温度:

550 ℃

ソース温度:

150 ℃

ロックマス:

ロイシンエンケファリン(m/z 556.2766)

取り込みモード:

HDMSE

コリジョンエネルギー:

コリジョンエネルギーランプ(15 ~ 25 eV)

IMS パラメーター:

既定値:T-Wave 速度ランプ = 開始:1000 m/s 終了:300m/s、T-Wave パルス高さ = 40 V、それぞれの気体セルでのヘリウム流 180 mL および窒素流 90 mL(バッファーガス)を使用し、IM セル圧力約 3.2 mBar

キャリブレーション:

IMS/ToF キャリブレーションキット(186008113)(ウォーターズコーポレーション、英国)

データ管理

クロマトグラフィーソフトウェア:

MassLynx v4.2 SCN 983

MS ソフトウェア:

MassLynx v4.2 SCN 983

インフォマティクス:

UNIFI v1.94

ライブラリーの平均 CCS 値は社内の UNIFI v1.94 を使用して測定

結果および考察

作成した低分子ライブラリーには 1,453 種の化合物が含まれています。ポジティブエレクトロスプレーモードには、1,343 エントリーが含まれています(1,277 の[M+H]+ 分子種および 958 の[M+Na]+ 分子種で構成)。ネガティブイオンモードでは、ライブラリーに 950 エントリーが含まれています(903 の[M-H]- 分子種 および 238 の[M-H+HCOO]- 分子種で構成)。(FDA 承認医薬品プロファイリング CCS ライブラリー)。

UPLC-IM-MS ライブラリーを作成する理由は 2 つあります。第一に、ライブラリーにより、医薬品中の生体外異物の有無を検出するための高度な特異性が得られます。また、ライブラリーの特異性により、尿などの複雑な生物学的マトリックスの外因性/内因性成分から目的成分を区別しやすくなります。ヒト尿マトリックスの複雑さを図 1 に示します。抽出したベースピークイオンクロマトグラムは 1,000 種の主要成分および微量成分で構成されています(強度 100 カウント超の候補質量 8,646 を検出)。対応するイオンモビリティー分離(UPLC-IM のピークキャパシティの組み合わせを示す)では、クロマトグラフィーで共溶出する成分が IM の次元で分離されていることが分かります。これにより、ノンターゲット単一成分プリカーサーイオンの生成が容易になり、ドリフト時間および保持時間が一致する分子種から、対応するプロダクトイオンスペクトルが得られます。これについては、図 2 のカルバマゼピンの同定で示しています。

図 1.  尿のノンターゲットスクリーニングで得られた UPLC-IM-MS 分離 
図 2.  FDA 承認低分子薬物ライブラリーを用いたスクリーニングの、取り込み後解析ワークフローでフィルタリングした検出結果(同定数 60)。許容範囲 tr 0.1 分および質量精度 +/-5 ppm を適用。 

一般的なノンターゲットスクリーニングの許容範囲 5ppm および保持時間の許容値 0.1 分を使用したところ、カルバマゼピンを含めて 60 件が同定されました。ΔCCS の許容範囲 2% を適用することで、23 件の誤検出が除去されました(図 3 を参照)。少なくとも 1 つの予測プロダクトイオンという同定基準(UPLC-IM-MS ライブラリーに記載)を適用することで、更に 18 件の偽陽性が除去され、最終的に検出は 5 件になりました(図 4 を参照)。

図 3.  FDA 承認低分子薬物ライブラリーを用いたスクリーニングの、取り込み後解析ワークフローでフィルタリングした検出結果(同定数 37)。許容範囲 tr 0.1 分、質量精度 +/-5ppm、Δ CCS 2% 未満を適用。 
図 4.  FDA 承認低分子薬物ライブラリーを用いたスクリーニングの、取り込み後解析ワークフローでフィルタリングした検出結果(同定数 5)。許容範囲 tr 0.1 分、質量精度 +/-5ppm、Δ CCS 2% 未満、プロダクトイオン 1 以上を適用。 

最大のレスポンスはカルバマゼピンについて観察され、精密質量測定の許容基準 5 ppm(3.9 ppm)、tr 許容値 0.1 分(0.01 分)、プロダクトイオンカウント 1 以上(2)、ΔCCS 2% 未満(0.51%)という許容規準に基づいて同定されました。この医薬品は、抗けいれん薬または抗てんかん薬として知られています。また、特定の種類の神経痛の緩和にも使用されています。カルバマゼピンは広く処方されている医薬品であり、処方件数は 600 万件(2011 年)、米国国内だけで 350 万件(2017 年)に及んでいます。カルバマゼピンは発作の予防および制御に用いられます。図 4 に、内因性化合物 DL-カルニチン(アミノ酸由来で、身体のほぼすべての細胞に存在)およびヒドロコルチゾン(副腎から分泌される天然成分(コルチコステロイドホルモン))の同定も示します。オクスカルバゼピンも同定されましたが、正確には別の割り当て化合物、カルバマゼピン-10, 11-エポキシド代謝物(CCS 151.8 Å2)であると考えられています。外因性のテオフィリンも同定され、精密質量測定値は 3.2 ppm の範囲内、保持時間は 0.01 の範囲内、プロダクトイオンは 2、ΔCCS は 0.37% 未満でした。テオフィリンは呼吸器疾患の予防および治療に使用されていますが、これが検出された理由は、コーヒーを飲んだ被験者から尿を取得したためと考えられます。カフェインは、キサンチンと呼ばれる化合物群に属し、代謝されてテオフィリンになります。尿サンプル中のテオフィリンの由来についての仮設を更に裏付けるために、データの調査を更に進めました。天然物ライブラリーから、カフェインのプリカーサーイオン、プロダクトイオン、CCS 値を分析メソッドに入力しました。カフェインの同定が確認され(図 5 を参照)、精密質量測定値は -1.0 ppm、プロダクトイオンは 4、ΔCCS は 0.06% でした。ノンターゲットスクリーニング戦略では通常、誤検出率 5% 未満を目指します。解析後ワークフローで誤検出を減らすために行った、フィルタリングパラメーターの組み合わせの連続適用を表 1 に示します。

図 5.  天然物ライブラリーおよび法中毒学ライブラリーを使用して同定された追加の分析種  
表 1.  誤検出を減らすためのフィルタリングパラメーターを組み合わせるワークフローの連続適用。 

マニュアルでのデータレビューの間に、被験者がアセトアミノフェンも服用していたことを示す兆候が認められたため、対応する CCS およびプリカーサーイオンのデータ(法中毒学ライブラリーより)も分析メソッドに入力しました。精密質量測定値 0.3 ppm、プロダクトイオン 1、ΔCCS 0.57% を使用して、保持時間を用いないアセトアミノフェンの同定も確認されました。アセトアミノフェンとカフェインの両方が、幅広い保持時間の許容値と併せて、プリカーサーイオン、プロダクトイオン、CCS のみにより同定されたことで、分析のフレキシビリティとともに、特異性が向上していることがわかります。これらの化合物の CCS およびプロダクトイオンの情報を提供したライブラリーでは、ここに記載している条件とは異なるクロマトグラフィー条件を使用していたため、保持時間の情報は入手できませんでした。アセトアミノフェングルクロニド(tr 2.48 分、CCS 実測値 181 Å2)およびアセトアミノフェン硫酸塩(tr 2.82 分、CCS 実測値 149.7 Å2)などの代謝物が追加で同定されたことにより、アセトアミノフェンの検出の信頼性が更に高まりました。このアプローチは、作成した UPLC-IM ライブラリーの汎用性が高く、追加の CCS 値による分析上の選択性が有用であることを示しています。

結論

FDA 承認低分子医薬品(ES+ で 1,343 件、ES- で 950 件)について、保持時間 tr、プリカーサーイオン、プロダクトイオン、CCS 値を含む UPLC-IM-MS ライブラリーを作成しました。このライブラリーにより、医薬品および違法薬物使用のモニタリングのためのノンターゲットスクリーニングが容易になります。ヒト尿の複雑な生体マトリックスサンプルのノンターゲットスクリーニングを使用して、作成したライブラリーの検証を行いました。実施した調査により、更なる調査が必要な検出はオクスカルバゼピンが観測された 1 件のみで、これについては合理化して再割り当てすることができました。外因性の生体外異物および内因性の天然分子種が同定され、誤検出は認められませんでした。実施した試験では、UNIFI の機能により、誤検出の疑いがある場合にも、迅速な再割り当てが可能になりました。FDA 承認医薬品ライブラリー、天然物ライブラリー、法中毒学ライブラリーのエントリーを利用して、UPLC-IM の汎用性が高いことが示されました。UNIFI の取り込み後解析ワークフローにおいて、CCS を利用してノンターゲットスクリーニングアッセイの検出結果をフィルタリングすることで、ノンターゲット分析においてターゲットデータをレビューする際の比類のないフレキシビリティが得られました。

参考文献

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720007175JA、2021 年 4 月 改訂

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