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MaxPeak™ Premier カラムと体系的スクリーニングアプローチを用いたスパイスカンナビノイドの高速 LC 分析法開発

MaxPeak™ Premier カラムと体系的スクリーニングアプローチを用いたスパイスカンナビノイドの高速 LC 分析法開発

  • Kenneth D. Berthelette
  • Jamie Kalwood
  • Jonathan E. Turner
  • Kim Haynes
  • Waters Corporation

要約

分析法開発を行う際に採用するアプローチによっては、結果に到達するまでに必要な時間と、結果自体に大きな影響が及ぶことがあります。分析のクオリティ・バイ・デザイン(AQbD)アプローチを用いた分析法開発ソフトウェアを使用することで、頑健な分析法を作成できますが、ソフトウェアへのアクセスおよびユーザーの習熟度の両方によって使用が制限されます。その他のアプローチでは、適切な条件を選択し、結果を解釈して、データに基づく決定を行うのに、多くの手動の操作が必要になります。構造化された意思決定プロセスを利用する体系的スクリーニングプロトコルを採用することにより、最適な条件のセットを選択するという分析者に対するプレッシャーが軽減し、分析法開発のプロセスが効率化します。

本研究では、体系的スクリーニングプロトコルを使用して、構造的に類似した 9 種のスパイスカンナビノイドの混合物の分析法を開発しました。最終的な分析法条件は、わずか 3 日間の開発と最適化後に実現しました。XBridge™ Premier BEH Shield RP18 カラムと塩基性添加剤を含有するアセトニトリル移動相を使用しました。UV 検出と MS 検出の両方で、9 種の分析種すべてに対して良好な分離および検出が達成され、3 つのバッチをテストして、分離についてのバッチ間再現性が示されました。

アプリケーションのメリット

  • XBridge Premier BEH Shield RP18 2.5 µm カラムを用いた 9 種の分析種のベースライン分離
  • 構造的に類似した化合物の混合物の分析法開発を 3 日間に短縮
  • 合理化された体系的スクリーニングアプローチの採用による意思決定時間の短縮
  • 異なる工場で充塡した固定相の 3 つのバッチを使用して、再現性をテスト済み

はじめに

分析法開発は、クロマトグラフィーの専門家にとってさえ、困難な作業になる場合があります。分析者は、それ自体が困難である場合がある分析種の分離に適した分析法条件を見つけなければならないだけでなく、多くの場合、将来における参照および文書化のために、それらの条件がどのように決定され選択されたかを記録に残す必要があります。複数の分析法開発作業が同時に行われるラボでは、複数の分析者に分析法開発を依頼した場合、全体的なアプローチが異なるものになることがあります。これにより、活動の追跡がさらに困難になります。このような状況では、すべての新しい分析法開発作業に標準化されたプロトコルを導入すると有利な場合があります。これには、特定のカラムケミストリーおよび特定の移動相条件のスクリーニングが含まれる場合があります。ラボ全体にわたって分析法開発を標準化することで、最終的な分析法条件を決定するプロセスに対する理解が深まり、文書化が容易になります。さらに、標準化されたプロトコルがあると、経験の浅いユーザーでも分析法開発を行うことができ、専門家はより困難な分離を扱うことができます。

ソフトウェア支援 AQbD や全要素検討法など、さまざまな分析法開発アプローチが存在します。全要素検討法は、HPLC 分析法の 3 つの重要なパラメーター(固定相のケミストリー、強溶媒、移動相 pH)のそれぞれの組み合わせをテストするように設計されています。これは最も包括的なアプローチですが、さまざまな移動相をすべて作成することが必要で、またかなり多くの分析者および装置の時間を必要とします。4 種の固定相からなるパネルがある場合、全要素検討法では少なくとも 16 回の実行が必要になります(これには各条件の繰り返し実行は含まれません)。これにより、データ収集後の分析と解釈にかなりの時間がかかることがあります。AQbD アプローチでは、一部の重要なパラメーターのみをテストするため、一般的に全要素検討法よりも迅速です。通常、DOE(実験計画法)を使用すると、ソフトウェア支援 AQbD アプローチによって、分離において重要なパラメーターがモデル化され、分析法開発において最も頑健な範囲が提案されます。この方法は、頑健性試験やバリデーションに適している場合がありますが、AQbD ではさまざまな固定相を考慮しておらず、多くの場合、ソフトウェアを実行するための特殊なトレーニングが必要です。

より合理的なアプローチとして、体系的スクリーニングプロトコルがあります。体系的プロトコルでは、全要素検討法とは異なり、最初に分析種の保持に対する移動相 pH の影響を評価します。少なくとも 2 回の分析実行後、分析種に対して最適な保持が得られる pH を容易に判定し、カラムと強溶媒のスクリーニングに進むことができます。4 種の固定相からなる一般的なパネルの場合、体系的スクリーニングプロトコルでは、10 回の注入(繰り返しを含まない)後に最適な分析法条件が得られ、全要素検討法よりも時間を節約できます。このアプリケーションでは、体系的スクリーニングプロトコルを適用して、構造的に類似した 9 種のスパイスカンナビノイド化合物を分離するための分析法開発を行いました。最も正確な結果を確実に得るために、このアプリケーションノートでは、MaxPeak Premier High-Performance Surfaces(HPS)テクノロジーを採用したカラムを使用しました。このテクノロジーは、金属表面と分析種の間の二次的相互作用を軽減するように特別に設計されており、全体的な分離の質が向上することが示されています1-2

最終的な分析法では、UV 検出と MS 検出の両方を使用した良好な検出により、9 種の成分すべてのベースライン分離が達成されています。分析法開発の後、異なる日に異なる 2 つの工場で充塡した固定相の 3 つのバッチを使用して、簡単な再現性実験を行いました。3 つのバッチにわたって良好な結果が得られた場合は、分析法の再現性が良好であることが示されます。これは分析法バリデーションへの最初のステップです。

実験方法

サンプルの説明

スパイスカンナビノイドの 2 つの個別の混合物を、100 µg/mL のストック標準試料として Cerilliant から入手しました。100 µL のスパイスカンナビノイド混合物(S-038)とスパイスカンナビノイド混合物 2(S-041)の両方を合わせ、800 µL の Milli-Q 水で分析種の最終濃度が 10 µg/mL になるように希釈しました。注入用の最終サンプルの組成は 80:20 水:メタノールでした。

LC 条件

LC システム:

オプションの溶媒選択バルブ付きのクオータナリー溶媒マネージャー(QSM)、サンプルマネージャーフロースルーニードル(SM-FTN)、カラムマネージャー、カラムマネージャー Aux、QDa 質量検出器を搭載した ACQUITY™ UPLC H-Class Plus システム

検出:

UV @ 220 nm(特に記載されていない限り)

MS フルスキャンおよび SIR をピークトラッキングに使用

カラム:

カラムはすべて 2.1 × 50 mm で、粒子径は 2.5 µm

XBridge Premier BEH C18 カラム(製品番号:186009827)

XSelect™ Premier CSH Phenyl-Hexyl カラム(製品番号:186009879)

XBridge Premier BEH Shield RP18 カラム(製品番号:186009914)

Atlantis™ Premier BEH C18 AX カラム(製品番号:186009390)

カラム温度:

30 ℃

サンプル温度:

10 ℃

注入量:

1.0 µL

流速:

0.7 mL/分

移動相 A:

Milli-Q 水

移動相 B:

アセトニトリル

移動相 C:

メタノール

移動相 D:

0.1% ギ酸(D1)または 200 mM 水酸化アンモニウム(D2)

グラジエント条件:

一貫した添加剤濃度を保つために、グラジエント全体にわたって 5% D で一定に維持しました。4.90 分かけて 5 ~ 95% B/C の直線的グラジエント。95% B/C で 0.82 分間ホールド。5% B/C の開始条件に戻り、1.6 分間ホールド。合計実行時間:7.37 分。最適化されたグラジエントの詳細が図のキャプションに示されています。

データ管理

クロマトグラフィーソフトウェア:

Empower™ 3 Feature Release 4

図 1.  サンプル混合物中に存在する分析種の化学構造。同重体化合物 JWH-019 (7) および JWH-122 (8) に注目してください。

結果および考察

体系的スクリーニングアプローチを使用する分析法開発は、最終的な分析法に許容される最低基準を設定し、使用するシステムを定義することから始まります。基準は、ラボの要求に応じて、広くすることも特異的にすることもできます。通常は、USP 分離度やテーリング係数などの基準が使用されますが、分析によってはその他のパラメーターを満たすことが必要です。これらの基準は、分析法の目標であるだけでなく、分析ニーズを満たす分析法が作成できたことを、分析者が知るための「停止点」でもあります。すでに十分な分析法が存在する場合、分析法開発を過剰に行うと、時間が無駄になることがあります。さらに悪いことに、具体的な基準がないと、分析法の開発に数週間費やしても、最終バージョンで最初の数回の試行と同様の結果しか得られないことがあります。この研究では、すべての化合物に対して USP 分離度の値が 1.5 超であり、USP テーリング係数が 0.8 ~ 1.2 の間である必要があります。そのため、クオータナリー溶媒マネージャー(QSM)とオプションの溶媒選択バルブを搭載した ACQUITY UPLC H-Class Plus を使用して、システムの溶媒の汎用性を最大化し、移動相添加剤と強溶媒を事前に混合する必要性を減らしました。溶媒選択バルブ付き QSM では、4 つの溶媒ライン(A、B、C、D)すべてを混合でき、ライン D では最大 6 つの移動相(D1 ~ D6)から選択できます。

さらに、できる限り最善の分離を達成するために、テストに使用したすべてのカラムには MaxPeak Premier High-Performance Surfaces(HPS)テクノロジーが採用されていました。このテクノロジーにより、カラムの金属表面と対象分析種の間の二次的相互作用が軽減されます。対象のプローブが露出した金属と相互作用を起こすかどうかが分からないため、MaxPeak Premier HPS カラムを使用することにより、このような相互作用の可能性が排除され、最終的な分離での疑念を解消する安全な出発点となります。

これらの基準を念頭に置き、以前のアプリケーションで概説した体系的スクリーニングプロトコルを採用しました3–6。体系的スクリーニングプロトコルの最初のステップにおいて、高 pH および低 pH での分析種の保持を評価し、最適な保持が得られる条件を決定します。このステップでは、XBridge Premier BEH C18 カラムのような、高 pH の条件下でも安定なカラムを選択することが重要です。以前に設定した最終的な分析法要件とは異なり、このステップでは保持のみを評価します。対象化合物について全体的に最適な保持が得られる条件を次のステップで選択します。図 2 に、pH スカウティングで得られたクロマトグラフィーを示します。

図 2.  XBridge Premier BEH C18 カラム、254 nm での UV 検出を使用した迅速 pH スカウティングの結果。図 1 に、成分 ID がリストされています。

高 pH と低 pH の両方で良好な分析種の保持が見られ、クロマトグラムでの保持が早すぎる分析種はありません。成分 2 ~ 9 は pH の変化の影響を受けていないように見えます。これは、これらのプローブが中性であるか、pH の変化がそのチャージ状態を変化させるのに十分ではなかったことを示します。成分 1(JWH-200)のみに、2 つの pH の間で保持の変化が見られました。pKa が約 7 の JWH-200 に存在する三級窒素原子は、低 pH では荷電し、高 pH では中性になります。この点は、低 pH では化合物の保持が低下するという事実によって確認されます。この混合物中に存在する他の化合物は、複素環式窒素を持つ多環式芳香族環を含み、ほとんどの pH において中性です。

体系的スクリーニングプロトコルに従い、全体的な保持の結果を評価した結果、次のステップに高 pH を選択しています。テストした混合物と初期の結果によると、低 pH も適切ですが、プロトコルの最初のステップは、保持の評価のみで、全体的な分離性能を評価することではありません。高 pH 移動相を選択したら、次のステップを考慮する必要があります。これには、強溶媒とカラム固定相のスクリーニングが含まれます。高 pH では、ハイブリッド固定相のみが使用できます。シリカ固定相では、高 pH でシリカが溶解してカラム性能が低下する可能性があるため、高 pH では評価していません7

この研究の溶媒スクリーニング用に選択した 4 本のカラムは、XBridge Premier BEH C18 カラム、XSelect Premier CSH Phenyl-Hexyl カラム、XBridge Premier BEH Shield RP18 カラム、Atlantis Premier BEH C18-AX カラムです。前述したように、XBridge Premier BEH C18 カラムは、高 pH において安定であるため、高 pH での分析の出発点として理想的です。さらに、この固定相は最も一般的かつ最も成功している固定相の 1 つです。 XSelect Premier CSH Phenyl-Hexyl カラムも、高 pH での使用が可能なハイブリッド粒子を採用しています。ただし、このベースパーティクルには、製造時にわずかな正電荷が付与されているため、BEH ベースパーティクルと比較して、選択性の面でメリットがある可能性があります。さらに、フェニルヘキシル環は、固定相との π-π 相互作用により、芳香族環を含む分析種に対して、独自の保持メカニズムを発揮します。XBridge Premier BEH Shield RP18 カラムは C18 固定相に似ていますが、Shield RP18 官能基には内包されたカルバメート基が採用されています。これにより、直鎖 C18 と比較して、選択性が向上します。最後に、Atlantis Premier BEH C18-AX カラムは、BEH ハイブリッド粒子に結合した陰イオン交換官能基を有する低リガンド密度 C18 固定相です。低リガンド密度 C18 であることにより、ベースパーティクルとの相互作用が大きくなり、粒子表面の陰イオン交換基により、独自の選択性が得られる可能性があります。これら 4 つの固定相を用いたメタノールでのスクリーニングの結果を図 3 に示します。スクリーニングおよび最適化のために、UV 検出は 220 nm に切り替えました。これは、この波長では化合物の吸収が増大し、高 pH 移動相でもベースラインシフトが検出されないためです。

図 3.  メタノールを用いたカラムおよび溶媒のスクリーニングのクロマトグラム(UV 波長 220 nm)。図 1 に、成分の ID がリストされています。

メタノール移動相を使用して得られたクロマトグラフィーは、理想的とは言えません。いずれの固定相でも、9 成分の分離が不良で、少なくとも 2 成分で重度の共溶出が見られました。 XBridge Premier BEH C18 カラムで見られるように、複数の成分が完全に共溶出すると、分析法開発が複雑になります。成分を分離するために、これらの条件を最適化することは非常に困難であり、不可能な場合もあります。幸いなことに、体系的スクリーニングプロトコルのスクリーニングステップでは、選択したカラムでアセトニトリル移動相もテストされます。これらのクロマトグラムを図 4 に示します。

図 4.  アセトニトリルを用いたカラムおよび溶媒のスクリーニングのクロマトグラム(UV 波長 220 nm)。図 1 に、成分の ID がリストされています。

 アセトニトリルを用いた場合には、メタノールを用いた場合よりも良好な結果が得られました。スクリーニングした 4 つの固定相で、化合物の共溶出が少なく、分離が全体的に良好でした。実際、アセトニトリル移動相でテストした 4 つの固定相のうちの 2 つで、9 成分すべてを少なくとも部分的に分離できました。Shield RP18 および C18-AX 固定相では、依然としてピークの部分的な共溶出がありましたが、それでもこれらの成分は別々の明確なピークとして見えました。Phenyl-Hexyl 固定相では 7 本の明確なピークのみが見られました。これは、少なくとも 2 本のピークが他のピークと完全に共溶出して、「隠れている」ことを意味します。C18 相では、8 本の明確なピークが見られ、成分 9 は成分 8 と共溶出していました。半分成功していた 2 つの分離をより詳細に確認し、前述の分離基準を念頭に置くと、XBridge Premier BEH Shield RP18 カラムで、成分の USP 分離度の点で最高の分離が得られていました。同重体である成分 7 および 8 は、Shield RP18 相で最も良く分離されました。さらに、Shield RP18 相では分離の保持力がわずかに低下しており、分析法をさらに最適化する必要があります。

分析法の最適化には、グラジエント傾きの変更、カラム温度の調整、若干の移動相 pH の調整、ならびに分離の改善または分析時間の短縮のためのより長いまたは短いカラム構成の使用が含まれますが、これらに限定されません。サンプルについてこれらのステップを踏んで得られた最終的な分析法条件を図 5 に示します。

図 5.  UV 検出と MS 検出の両方を使用した、スパイスカンナビノイド混合物の最終分離メソッド。XBridge Premier BEH Shield RP18、2.5 µm、2.1 x 100 mm カラム。移動相の pH を維持するために一定の 5% D6 を使用しました。6.52 分にわたる 50 ~ 80% アセトニトリルの直線グラジエント(グラジエントの傾き 1.50%/Vc)を使用しました。合計分析時間は 11.46 分でした。図 1 に、成分 ID がリストされています。 

最適化した分析法条件により、9 種の成分すべてのベースライン分離が示され、UV 検出器および MS 検出器の両方で、良好なピーク形状および検出が得られました。ESI- モードでのみイオン化する成分 4 と成分 6 を除き、9 種の成分の選択イオンレコーディング(SIR)が ESI+ モードで実施されました。最適化されたテスト条件とスクリーニングメソッドの間のピーク強度の違いは、分析種の安定性および分解によるものです。バッチ間テストの前に、新たにサンプルを調製しました。再現性テストを実施する前でも、示されている分離は許容範囲内であり、分析法開発アプローチの一環として設定されたすべての分離基準を満たしていました。カラムの再現性は分析法開発の範囲外であり、通常は分析法バリデーションの一部として行われています。 図 6 は、異なる 2 つの工場で充塡した、3 つの異なる XBridge BEH Shield RP18 固定相ロットのバッチ間テストの結果を示しています。バッチ 131 および 136 はアイルランドのウェックスフォードで、バッチ 132 は米国マサチューセッツ州ミルフォードで充塡されました。3 本のカラムはすべて、異なるロットのカラムハードウェアを使用して、異なる技術者によって別々の日に充塡されました。

図 6.  9 種のスパイスカンナビノイドの分析の最適化した分析法条件での、XBridge BEH Shield RP18 固定相ロットのバッチ間テスト。示されているのは 220 nm の UV データです。成分 ID が図 1 にリストされています。

3 つのカラムの分離性能は同等でした。最も低い USP 分離度 1.52 でも、分析法開発の一環として設定されたすべての分離基準が満たされました。USP テーリング係数の結果も許容範囲内でした。体系的スクリーニングプロトコルを使用して分析法開発を行うと、スパイスカンナビノイドのような分析が困難な混合物でも、分離が可能になります。9 種の化合物すべてを分離する分析法が 3 日間で開発され、3 つの異なるバッチの固定相を使用して、再現性試験も行うことができました。体系的スクリーニングプロトコルのような合理化されたプロセスを使用することで、分析法開発プロセスが迅速化され、開発手順のあいまいさが減少します。このプロセスに MaxPeak Premier カラムの高い信頼性および再現性を組み合わせることで、分析者は分離における疑念を取り除き、将来のすべてのワークフローにおいて、信頼できる質の高い結果を得ることができます。

結論

ステップバイステップのアプローチが、分析法開発作業にとって重要な資産になる可能性があります。標準化されたプロトコルがあると、すべての分析者が同じ方法で分析法を開発することが保証されるだけでなく、適切に設計されている場合、分析法開発全体にかかる時間を短縮することもできます。本アプリケーションノートで概説する体系的スクリーニングプロトコルは、特殊なソフトウェアやトレーニングを必要とせず、分析法開発のプロセスを合理化できます。体系的スクリーニングプロトコルでは、カラムと強溶媒のスクリーニングに進む前に、まず保持に対する pH の影響を調べます。最初に pH を評価することで、選択した特性をロックし、それ以降の作業から除外して、その後のステップで使用する固定相の選択に影響を与えることができます。

体系的スクリーニングプロトコルを使用して、構造的に類似した 9 種のスパイスカンナビノイドの混合物の分析法を開発しました。体系的なプロトコルを使用することにより、アセトニトリル、水酸化アンモニウム、および XBridge Premier BEH Shield RP18 カラムを使用した最終的な分析法が、わずか 3 日間で開発されました。異なる日に異なる 2 つの工場で充塡された 3 つのバッチの充填剤を使用して、最終分析法条件で化合物を分離したところ、すべて同等の結果が得られました。体系的スクリーニングプロトコルを活用し、MaxPeak Premier カラムの信頼性と組み合わせることで、適切な分離が得られ、未知サンプルの定量や同定を含む多様なワークフローで使用することができます。

参考文献

  1. Delano M, Walter TH, Lauber M, Gilar M, Jung MC, Nguyen JM, Boissel C, Patel A, Bates-Harrison A, Wyndham K. Using Hybrid Organic-Inorganic Surface Technology to Mitigate Analyte Interactions with Metal Surfaces in UHPLC.Anal.Chem. 93 (2021) 5773-5781.
  2. Walter TH, Alden BA, Belanger J, Berthelette KD, Boissel C, Delano M, Kizekai L, Nguyen JM, Shiner S. Modifying the Metal Surfaces in HPLC Systems and Columns to Prevent Analyte Adsorption and Other Deleterious Effects.LCGC Supplement, June (2022) 28-34.
  3. Maziarz M, McCarthy S, Wrona M. Improving Effectiveness in Method Development by Using a Systematic Screening Protocol.Waters Application Note.720005026.April 2014.
  4. Berthelette KD, Nguyen JM, Turner, J. Method Development of Ten Antibiotic Compounds Using a Systematic Screening Protocol on an ACQUITY ARC with UV and QDa Detection.Waters Application Note.720007352.August 2021.
  5. Berthelette KD, Turner JE, Walter TH, Haynes K. Using a Systematic Screening Protocol and MaxPeak HPS Technology to Develop a UHPLC Method for the Analysis of Deferoxamine and its Forced Degradation Products.Waters Application note. 720007834.December 2022.
  6. Hong P, McConville P. A Complete Solution to Perform a Systematic Screening Protocol for LC Method Development.Wates White Paper. 720005268EN.
  7. Kirkland JJ, van Straten MA, Claessens HA.High pH mobile phase effects on silica-based reversed-phase high-performance liquid chromatographic columns.J. Chrom A.(1995) 3-19.

720007916JA、2023 年 7 月

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