ステビオール配糖体の逆相液体クロマトグラフィー - MaxPeak™ High Performance Surfaces の利点

ステビオール配糖体は、天然のノンカロリー甘味料として、食品および飲料にしばしば使用されています。この化合物群は、ステビオールアグリコン構造が同じですが、グリコシド単位の数と種類が異なります（例：グルコース、ラムノース、キシロースなど）。FAO/WHO JECFA モノグラフ 26（2021）には、ステビオール配糖体に関する最新の国際標準が含まれており、主要なおよび微量のステビオール配糖体の測定に逆相液体クロマトグラフィー（RPLC）が推奨されています。最近ウォーターズでは、グラジエント溶出条件を最適化することで JECFA RPLCメソッドを改善し、ステビオール配糖体のより良い分離を達成しました。溶出プログラムの微調整に加えて、MaxPeak High Performance Surfaces（HPS）も分離の向上に寄与しました。このアプリケーションブリーフでは、MaxPeak HPS を取り入れたカラムである XSelect™ Premier HSS T3 カラムで得られる分離性能および効率の向上について説明します。

アプリケーションのメリット

• XSelect Premier HSS T3 カラムでは、XSelect HSS T3 カラムよりも高いクロマトグラフィー分離能とクロマトグラフィー効率が得られた
• MaxPeak HPS テクノロジーは、ステビオール配糖体測定のためのクロマトグラフィーを向上させるのに役立った

ステビオール配糖体（SG）は、Stevia rebaudiana Bertoni（ステビア）という植物の葉の成分であり、ショ糖の 100 ～ 300 倍の甘味があります。食品および飲料のノンカロリー甘味料としてしばしば使用されています。これまで 40 種類を超える SG が同定されています¹。 国連食糧農業機関および世界保健機関（FAO/WHO）の合同食品添加物専門家会議（JECFA）が 2006 年以降、SG に関する一連のモノグラフを発表しています。FAO/WHO JECFA モノグラフ 26（2021）で発表された最新のモノグラフでは、主要な SG および微量の SG の分析に RPLC メソッドを推奨しています¹。 しかし、これらの JECFA メソッドで得られるクロマトグラフィー分離能は十分なものではありませんでした。最近ウォーターズでは、グラジエント溶出条件を最適化し、MaxPeak High Performance Surfaces（HPS）を採用することで、JECFA メソッドを改善しました²。 MaxPeak HPS は、LC における分析種の吸着を低減するために、Waters™ が開発したものです³。 広範な化合物の分析において、MaxPeak HPS を使用することで、大きな改善が得られることがすでに実証されています^4–7。当社では、メソッド開発中に、MaxPeak HPS が SG の RPLC にも役立つことを初めて発見しました。本稿では、SG の RPLC における MaxPeak HPS の主なメリットを紹介します。

サンプルの LC 条件において、MaxPeak HPS を取り入れたカラム（XSelect Premier HSS T3 カラム）では、従来のカラム（XSelect HSS T3 カラム）と比較して、より高いクロマトグラフィー分離能と分離効率（見かけの理論段数）が得られました。LC 条件の詳細は、他の論文で報告しています²。 図 1 に、同じ実験条件において XSelect Premier HSS T3 カラムと XSelect HSS T3 カラムで得られたクロマトグラムの比較を示します。XSelect Premier HSS T3 カラムでは、特にクリティカルペア（レバウジオシド A/ステビオシド）について、より良好な分離が得られました。

ステビオール配糖体の RPLC-UV 分析において、MaxPeak HPS を取り入れたカラムを使用した場合に、より高いクロマトグラフィー分離能と分離効率が得られました。MaxPeak HPS を取り入れた Arc™ Premier システムと XSelect Premier HSS T3 カラムを組み合わせることで、この優れた LC システムとカラムは、ステビオール配糖体の測定において、従来の LC システムとカラムよりも優れたソリューションを提供します。

1. FAO and WHO.Joint FAO/WHO Expert Committee on Food Additives (JECFA), 91st Meeting–Virtual meeting, 1–12 February 2021.FAO JECFA Monographs No.26. Rome. Compendium of Food Additive Specifications 2021 https://doi.org/10.4060/cb4737en
2. Yang, J; Rainville, P.; Harden, S. Improving Separation Resolution for the JECFA method for the analysis of Steviol Glycosides.Waters Application Notes, 720008236, 2024.
3. Lauber, M.; Walter, T. H.; DeLano, M.; Gilar, M.; Boissel, C.; Smith, K.; Birdsall, R.; Rainville, P.; Belanger, J.; Wyndham, K. Low Adsorption HPLC Columns Based on MaxPeak High Performance Surfaces.Waters White Paper, 720006930, 2020.
4. Birdsall, R. E.; Kellet J.; Ippoliti, S.; Ranbaduge, N.; Shion, H.; Yu, Y. Q. Increasing Chromatographic Performance of Acidic Peptides in RPLC-MS-based assays with ACQUITY Premier featuring MaxPeak HPS Technology.Waters Application Notes, 720007003, 2020.
5. Boissel, C.; Walter, T. H. Improved Peak Shape and Wide Selectivity Range with ACQUITY Premier Columns.Waters Application Notes, 720007014, 2020.
6. Smith, K. M. and Rainville, P. Utilization of MaxPeak High Performance Surfaces for Improved Separation and Recovery of Analytes Associated with the Tricarboxylic Acid Cycle.Waters Application Notes, 720006727, 2020.
7. Brennan, K.; Lame, M. L.; Donegan, M.; Rainville, P. D. Improved Oligonucleotide SPE-LC-MS Analysis Using MaxPeak High Performance Technology.Waters Application Notes, 720007019, 2020.