TOP アッセイおよび ACQUITY™ QDa™ II 質量検出器を用いた地表水中の PFAS のルーチン検査
要約
パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、その毒性および生体に蓄積する傾向により、環境および公衆衛生上のますます大きな懸念事項になっています。PFAS は何十年にもわたって世界中で広範に使用されてきました。そのため、PFAS はどこにでもある永続的な環境汚染物質となっています。従来の検査法では、多くの場合、PFAS 汚染を完全に把握することが困難です。全酸化可能前駆体(TOP)アッセイでは、サンプルの酸化前後のパーフルオロアルキルカルボン酸(PFCA)濃度をモニターすることにより、特定のサンプル中のパーフルオロアルキル酸(PFAA)前駆体を評価することができます。8 点の地表水河川サンプルを、イングランド北西部にある廃水処理施設の下流で採取し、ACQUITY QDa II 質量検出器を使用して分析しました。得られた結果により、分析したすべての地表水サンプルで PFCA の総存在量が著しく増加していることが示され、既存の PFAS 検査法をサポートし補足する上でこのような手法が有用であることが実証されました。
アプリケーションのメリット
- TOP アッセイにより、パーフルオロアルキル酸(PFAA)およびその前駆体の負荷を単一の分析法で評価する手段が得られ、地表水サンプルの分析に使用できる補完的な検査法を提供
- この分析に ACQUITY QDa II 質量検出器を利用し、LC-MS およびノミナル質量情報を使用して、より高度な従来の検査法をサポートおよび補完することにより、費用対効果が高く、使いやすく、信頼性の高いサンプルトリアージの手段を実現
はじめに
パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)は、特定の有機フッ素環境汚染物質の総称であり、さまざまな産業用途や消費者製品に何十年にもわたって使用されてきた一群の合成化学物質です。PFAS は、その耐久性と劣化耐性により評価されてきましたが、その潜在的な毒性および生体蓄積性から、環境と健康に対する懸念対象として大きな注目を集めています1。
河川水、地下水、飲料水源の PFAS 汚染が世界中で報告されています。汚染の程度はまだ明らかになっていないという懸念が表明されています。英国では最近、廃液や下水が河川やその他の水系に漏出しているという報告が増加しており、このような懸念が拡がっています。この未処理廃液または部分処理廃液の河川への排出は、重要な生態系や食品連鎖全体にわたる栄養移行や永続性を悪化させる可能性があります2。高い永続性、強い吸着性、長距離の輸送、蓄積などの PFAS 本来の特性すべてが、エコシステムに対する潜在的な有害性を悪化させ、増幅する可能性があります3。PFAS は従来の環境修復手法に対して抵抗性が高いため、その影響への対処が特に困難になります。そこで、エコシステムと公衆衛生を保護するための新しい技術の開発および厳格な規制措置が必要になっています。
従来の検査法では、多くの場合、PFAS 汚染を完全に把握することが困難であり、PFAS 汚染に対する認識の広がりにより、環境検査および規制の枠組みに大きな負荷がかかっています。これらの分析法では、主にパーフルオロアルキル酸(PFAA)が検出されますが、これらの永続性物質に分解される可能性のある前駆体化合物が見逃されることがあります。数多い分析上の課題の 1 つとして、12,000 を超える PFAA 以外の PFAS 化合物の真正標準試料がないことが挙げられます4。
全酸化可能前駆体(TOP)アッセイは、このギャップを橋渡しする手段を提供します。未知の PFAA 前駆体および中間体の非フッ素化部分を酸化し、安定な PFAA 化合物に変換することにより、環境サンプル中の PFAA 総負荷に関するより完全な情報が得られます5。
ACQUITY QDa II 質量検出器を TOP アッセイ分析と組み合わせて使用することで、費用対効果の高いアプローチになることが実証され、通常はより高度で資源を消費する従来の検査法の負担を軽減することができます。このアプローチは、このような従来のアプローチを補完し、サンプル中の PFAS の総存在量について追加の情報が得られて、汚染されている可能性のある環境サンプルのより有効なトリアージが可能になります。
本研究では、イングランド北西部にある廃水処理施設(WWTP)の下流から、特に下水の排出とオーバーフローが顕著なエリアで、地表水河川サンプルを数点採取しました。この採取エリアの範囲を図 1 に示します。
実験方法
地表水の採取
地表水河川サンプルは、2024 年 6 月にイングランド北西部のさまざまな河川にわたって採取しました。サンプルは、WWTP 下流の特に最近報告された下水の排出やオーバーフローの発生源の近くで採取しました。事前に LC-MS グレードの MeOH で 3 回、Milli-Q 水で 1 回すすいだ HDPE 容器を使用して、それぞれの場所で約 2 リットルのサンプルを採取しました。ラボに戻り、サンプルをろ過して、分析するまで室温で保管しました。分析はサンプル採取から 60 日以内に行いました。
保管時の汚染をモニターするために、2 リットルの Milli-Q 水が入ったブランクサンプルを用意し、地表水サンプルとともに保管しました。この試薬水サンプルを使用して 50 ng/L になるようにスパイクした試薬水サンプルを調製し、地表水河川サンプルとともに評価しました。
全酸化可能前駆体アッセイ
TOP アッセイは、Houtz と Sedlak の論文と同様のアプローチを使用して行いました5。手順の詳細を図 2 に示します。対照サンプルと改変サンプルの両方を 3 回繰り返しで分析しました。酸化手順によって取得したサンプルを、この本文を通して「改変」サンプルと記載しています。
この手順では、ラボの PFAS 汚染管理のベストプラクティスに従いました(720007905)。すべての 125 mL HDPE ボトルを、使用前に LC-MS グレードの MeOH で 3 回、Milli-Q 水で 1 回十分に洗浄しました。乾燥後、ボトルにラベルを付け、それに従ってスパイクを行いました。地表水河川サンプルとラベル付けしたボトルに、ADONA 溶液を 50 ng/L 相当の濃度になるように添加し、試薬水サンプルに、ADONA を含む PFAS 混合液を同じ濃度になるように添加しました。続いてボトルをサンプルオーブンで約 20 分間乾燥させ、有機溶媒を蒸発させました。
各ボトルをサンプルオーブンから取り外した後、穏やかな窒素流下に置いて、ボトルにまだ残っている可能性のある残留蒸気を飛ばしました。ADONA は TOP アッセイ手順で確実に酸化される化合物であり、したがってプロセスの効率の指標になります。重要な点として、通常この化合物は天然の地表水サンプルには存在せず、酸化プロダクトが分析を妨げることはありません。
抽出手順の有効性を評価するために、SPE の前に、すべてのサンプルに内部標準試料(IS)混合物をスパイクしました。IS 混合物を 50 ng/L になるように再度スパイクしました。また、手順の一環として IS 混合物を含まないブランクを評価しました。抽出の前に、サンプルを 5 分間超音波処理しました。この研究で使用した分析用標準試料はすべて、Wellington Laboratories から入手しました。
装置
PFAS キット(176004549)を取り付け、FTN 付き BSM を備えた ACQUITY Premier LC に接続した ACQUITY QDa II 質量検出器を使用してサンプルを評価しました。このキットには、アイソレーターカラムが含まれています。これは、分析対象ピークと共溶出する可能性のある残留バックグラウンド干渉の遅延に役立ちます。分離、チューニング、キャリブレーションはすべて装置の起動時に自動で行われ、分析者の操作は不要です。PFAS 化合物を良く分離するために、ACQUITY Premier CSH™ C18 カラムを使用した 22 分間の分析法を使用しました。
LC-MS の実験条件
LC システム: |
ACQUITY Premier BSM(フロースルーニードル付き) |
検出: |
ACQUITY QDa II 質量検出器 |
カラム: |
ACQUITY™ Premier Peptide CSH™ C18 カラム 1.7 μm、2.1 × 100 mm(製品番号:186009461) |
カラム温度: |
50 ℃ |
サンプル温度: |
10 ℃ |
注入量: |
10 µL |
流量: |
0.3 mL/分 |
実行時間: |
22 分 |
移動相 A: |
2 mM 酢酸アンモニウム水溶液 |
移動相 B: |
2 mM 酢酸アンモニウムメタノール溶液 |
バイアル: |
700 µL ポリプロピレン製スクリューキャップバイアル(製品番号:186005221) |
イオン化: |
ネガティブエレクトロスプレー(ES-) |
キャピラリー電圧: |
0.55 kV |
脱溶媒温度: |
350 ℃ |
イオン源温度: |
120 ℃ |
取り込みモード: |
選択イオンレコーディング(SIR) |
LC グラジエント
ソフトウェア
データ取り込み、解析、レポート作成: |
MassLynx™ バージョン 4.2 |
結果および考察
PFAS 前駆体の主要な酸化プロダクトとしての PFCA の定量
パーフルオロアルキルカルボン酸(PFCA)は、カルボン酸官能基および完全にフッ素化された炭素鎖が特徴の PFAS 化合物のクラスです。TOP アッセイでは、PFAS の前駆体の主要な酸化プロダクトとして PFCA をモニターします。
酸化後の総 PFCA 濃度の相対的な増加を評価することにより、特定のサンプル中に存在する酸化性 PFAS 前駆体の総負荷を推定でき、汚染レベルのより包括的な評価が可能になります。この分析でモニターした PFCA 化合物は PFBA、PFPeA、PFHpA、PFHxA、PFOA、PFNA でした。
50 ng/L になるようにスパイクした試薬水サンプルの改変レプリケートでは、PFBA、PFHxA、PFOA の報告濃度において、対照サンプルと比較してそれぞれ 65%、67%、106% の大幅な(%)増加が見られました。逆に、改変レプリケートでは、検出可能なレベルの ADONA が認められず、ワークフローにおいて完全に酸化されていることが示されました。試薬水の対照レプリケートと 50 ng/L になるようにスパイクした改変レプリケートのクロマトグラムの比較を図 3 に示します。
一部の PFCA 化合物の増加は、図 4 からわかるように、サンプル中に存在する他の PFAS 化合物の酸化によって部分的に説明できます。改変サンプルでは、N-MeFOSAA および N-EtFOSAA の報告濃度が対照サンプルと比較して 90% 以上低下し、BLOQ 濃度まで下がっています。N-MeFOSAA と N-EtFOSAA はいずれも、ほとんどの場合酸化して PFOA になることが示されています5。その結果、改変サンプルにおける PFOA 濃度が 2 倍以上増加していると考えられます5。その他の PFCA 化合物には、改変サンプルに見られたような変化はほとんどまたはまったく見られませんでした(PFPeA(0%)、PFHpA(-4%)、PFNA(-26%))。
改変レプリケートでは、検出可能な濃度の 4:2FTS は認められず、完全に酸化されていることが示唆されました。この化合物は酸化性スルホン酸であり、予想通りの結果となりました。同様に、8:2FTS の濃度は BLOQ レベルまで低下しており、改変サンプルでは、6:2FTS の濃度は対照レプリケートと比較して 90% 以上低下して 7.1 ng/L でした。興味深い点として、4:2FTS、6:2FTS、8:2FTS の分解は、PFBA および PFHxA のそれぞれの濃度増加に起因する可能性があります。本研究では、6:2FTS は、対照のスパイクしたレプリケートにおいて、250% を超えるという許容できない回収率を示しました。この問題は、他の TOP アッセイ分析でも報告されています5。50 ng/L になるようにスパイクした試薬水サンプル中のその他のモニターした PFAS 化合物すべてが酸化性であるわけではなく、改変レプリケートで対照サンプルと同等の濃度を示しました(その例を下図にも示しています)。
本研究で調査したすべての地表水河川サンプルで、図 5 に見られるように、改変レプリケートの総 PFCA 濃度が大幅に増加していました。関連する値を表 1 にさらに詳細に記載しています。
興味深い点として、酸化した地表水河川サンプルの PFCA プロファイルは、(PFOA が酸化後の最も存在量の多い化合物である)スパイクした試薬水サンプルの PFCA プロファイルとは異なります。調査した地表水河川サンプルの大部分において、最大の相対的増加は PFBA で見られ、同様の研究での知見とよく似ています7,8。これは、サンプル中のパーフルオロブチル物質の存在を示している可能性があります。
河川 B の地表水サンプルでは、調査したすべての河川サンプル中で最も高い酸化レベルが見られました。その原因となる要因の 1 つは、河川 B の対照レプリケートで見られた平均値 234.2 ng/L(RSD ±16.9%)(n=3)という 6:2FTS のレベルである可能性があります。多くの研究において、6:2FTS は WWTP から放出される主要な PFAS であることが判明しています7。6:2FTS は通常、酸化して PFBA、PFPeA、PFHxA になります5。河川 B のサンプルも、調査したすべてのサンプルのうち、WWTP に最も近い場所で採取されたものです。
このワークフローの結果、対照の河川地表水サンプルの大部分において、PFCA の総存在量はごくわずか(BLOQ)ですが、改変サンプルでは酸化手順後に相対的に増加したことから、根底にある PFCA 前駆体化合物の存在が示唆されます。モニターしたその他の従来の PFAS 化合物は、河川 F の対照サンプルで検出された PFOS(6.1 ng/L)を除き、分析したどの対照レプリケートおよび改変レプリケートにも存在しませんでした。
2 点のプロセスブランクサンプルもこのワークフロー(n=3 のテクニカルレプリケート)で分析し、サンプル前処理手順における汚染、および酸化後に存在する可能性のあるベースライン共溶出や汚染について評価しました。プロセスブランクサンプルの 1 つに、濃度 50 ng/L になるように IS 混合物を添加しました。重要な点として、IS の有無に関わらず、いずれのプロセスブランクサンプルでも、改変サンプル中のような検出可能なレベルの PFCA は見られませんでした。
同様に、対照または酸化プロセスのブランクサンプルのいずれにも、検出可能なレベルで他のモニタリング対象 PFAS は検出されませんでした。ただし、6:2FTS は例外で、(IS を添加した)ブランクサンプル中に、対照サンプルでは平均濃度 67.6 ng/L、改変サンプルでは 156.6 ng/L で存在しました。改変レプリケート中の 6:2FTS の濃度が対照レプリケートと比較して高く、改変サンプルのレプリケート中に PFCA が存在しないことから、この化合物が酸化されておらず、この汚染が酸化手順後に導入されたことが示唆されます。(IS を添加した)改変ブランクサンプルのレプリケートの例を図 6 に示しており、酸化後にはモニタリング対象の PFAS 化合物がないことが示されました。
すべての地表水河川サンプルにおいて、50 ng/L になるようにスパイクした ADONA は、どの改変レプリケート中にも検出されず、酸化が正常に行われたことを示しています(図 7)。地表水サンプル全体の間でのスパイクした ADONA の濃度のばらつきは、化合物の内部標準試料による補正がされていないことによって部分的に説明できます。
抽出手順の効率を確認するために、サンプル全体にわたって内部標準試料の回収率をモニターしました。ブランクサンプル(n=3)における PFCA-13C 標識 IS の回収率は 69 ~ 94% で、分析法の性能が良好であることを示しています(図 8)。ワークフローのすべてのサンプル(n=30)にわたる平均回収率の詳細を表 2 に示します。
感度および再現性
データの再現性を図 9 に示します。これは、河川 A の地表水サンプルの PFBA、PFHpA、PFHxA の対照サンプルおよび改変サンプルの 3 回繰り返し注入(n=3)のクロマトグラムを示しています。レプリケートでは、最低濃度のキャリブレーションスタンダードと同等の 5.0 ng/L(サンプル中濃度)とされている分析法の LOQ の上と下両方の濃度が見られます。
通常、TOP アッセイアプローチは定性的アプローチですが、このワークフローでは、分析法の性能をより適切に評価するために、サンプルを検量線でブラケットしました。キャリブレーションプロットは、すべての化合物について 1 ~ 80 ng/mL(バイアル内濃度)の範囲であり(実際のサンプルでは 5 ~ 400 ng/L に相当)、内部標準試料混合物を 10 ng/mL(実際のサンプルでは 50 ng/mL に相当)になるようにスパイクしています。補足表 S1(補足セクション)に見られるように、すべての化合物のキャリブレーションプロットの R2 値が 0.99 を超えています。このキャリブレーション範囲を超える濃度については、後でさらに分析して確認されました。
キャリーオーバーおよび装置汚染
分析全体を通して、50:50 MeOH:H2O で構成される溶媒注入を観察して、装置の汚染やキャリーオーバーを評価しました。すべての溶媒注入において、分析全体でモニターしたどの化合物にも汚染やキャリーオーバーは認められませんでした。図 10 に、モニターしたすべての PFCA 化合物について、各地表水サンプル(n=16)の前後に分析した溶媒注入を示します。
TOP アッセイ分析に関する考慮事項
ノミナル質量分析装置である ACQUITY QDa II 質量検出器を使用することで、地表水サンプル中の PFAS の分析範囲が拡大し、この分析を行うのに十分な感度と信頼性が実証されました。このアプローチにより、追加の PFAS ワークフローの有用性が浮き彫りになります。そのようなワークフローは、現地のエコシステムや野生動物に大きな影響を与える可能性のある未知の前駆体や規制対象でない PFAS 化合物のモニタリングに役立ちます。
TOP アッセイアプローチには、限界があります。それは、分解してターゲット分析により検出できる酸化性 PFAS 化合物しか対象にならないことです9。さらに、酸化中にマトリックス干渉や偽陽性が生じる可能性があるため、PFBA および PFPeA の濃度を確認するには HRMS が必要な場合があります。ただし、TOP アッセイで調製された対照サンプルと改変サンプルはいずれも、サンプル前処理を繰り返す必要なく、HRMS や LC-MS/MS を使用して直接再分析することができます。PFAS の超微量定量および確認において最高の感度が必要なサンプルの場合は、Xevo™ TQ Absolute™ などのより高感度の装置を使用する必要があります10。
結論
このワークフローで検討したすべての地表水河川サンプルにおいて、モニターした 6 種の PFCA 化合物のうち少なくとも 3 種で定量可能な増加が見られました。このことは、サンプル内の PFAA 前駆体またはその他の未知の PFAS 化合物が多量に存在することを示唆しており、これらの化合物が完全には検出されなかった可能性があるため、さらに調査を進める必要があります。ほとんどのサンプルで酸化後に高濃度の PFBA が検出されました。このことは、パーフルオロブチル前駆体が、評価した現地の河川中の主要な種類の PFAS 前駆体であることを示唆しています。
- 酸化前後の PFCA 濃度を比較することで、従来の PFAS ワークフローでは完全には検出できなかった「隠れた」PFAA 前駆体の程度を明らかにでき、したがってラボの検出機能を向上させることができます。
- 試験した 8 点の地表水河川サンプルすべてで、酸化後に総 PFCA 存在量が大幅に増加し、濃度 63 ~ 2711 ng/L(ppt)になっていました。これは、従来の分析で見落とされていた可能性のある高度な前駆体汚染があったことを示しています
- ACQUITY QDa II 質量検出器はこのワークフローに最適であり、信頼性が高く費用対効果が良好な LC-MS 分析でノミナル質量データが得られて、補足的なサンプル評価に利用できます
- 汚染の可能性のある環境サンプルの効果的なトリアージは、従来の LC-MS/MS PFAS 検査法の補助として役立ちます
参考文献
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補足資料
表 S1.モニターした PFAS 化合物のサマリー。720008648JA、2024 年 12 月