LiveID ソフトウェア
リアルタイムのサンプル認識
LiveID ソフトウェアでは、ダイレクト質量分析(MS)を用いてリアルタイムのサンプル分類が可能になります。分析時に必要な情報が直ちに得られ、サンプルのアイデンティティーに疑念が残らない、情報に基づいたリアルタイムの意思決定が可能になります。
LiveID ソフトウェアは、Waters RADIAN ASAP ダイレクト質量検出器によって生成されたダイレクト質量データ、または REIMS イオン源を搭載した Waters Xevo G3 QTof または SYNAPT XS HRMS 装置によって生成された四重極飛行時間データに使用できます。
概要
- 手間のかかるサンプル前処理を行うことなく、MS テクノロジーの力を利用できる
- ハイスループットのアプリケーションを簡単かつ正確に実行できる
- 数秒で正確な分子プロファイリングが得られる
- 化合物のライブラリーに対してリアルタイムでサンプルをスクリーニングできる
- 正確で確実にサンプルのアイデンティティーが確認できる
- 結果を迅速かつ簡単に解釈できる
推奨用途:分析時におけるリアルタイムのサンプル分類。
機能ヘッダー
さまざまなアプリケーションにおける迅速な分析
このプロセスは迅速、シンプル、かつ頑健であり、事前のサンプル前処理は不要です。ダイレクト MS 分析では、さまざまな化合物を偏りなく測定でき、サンプル内の化学成分の包括的な分子プロファイルが得られます。LiveID ソフトウェアは視覚的に新しく魅力的なウェブベースのインターフェースを備えており、容易に理解し使いこなせるワークフロー主導のプロセスを提供します。最初に、検証済みの真正サンプルを使用して統計的モデルを作成し、バリデーションします。次に、バリデーション済みモデルをテストサンプルとともに用いて、リアルタイムに分類することができます。出力される答えは、シンプルに YES か NO です。
応用分野は広大で、以下が含まれます。
- 食品および多量の化学物質のサンプル真正性の確認
- 食品偽装
- 除草剤研究での植物の表現型検査
- 微生物の分類
- 生物工学研究
LiveID は、研究および商用のみでの使用を目的としており、診断目的では使用できません。
リアルタイムライブラリー検索
また、LiveID ではリアルタイムのライブラリー検索ワークフローを実現できることにより、分析した各サンプルに対して、ソフトウェアがライブラリー内のすべての化合物スペクトルと照合し、スコア(Max:1000 点)を割り出します。値が 1000 に近づくほどその化合物がサンプルに含まれている可能性が高く、スコアが低いと、化合物がサンプル内に含まれている可能性が低いことを示します。
ダイレクト MS 分析データ
ダイレクト MS 分析データは LiveID にインポートされます。10 回の収集で得られたトータルイオンクロマトグラムおよびオレンジ色で強調表示した領域から得られた MS スペクトルの組み合わせの例が示されています。
主成分分析(PCA)および線形判別分析(LDA)
MS データのインポート後、PCA および LDA を使用して、調べているサンプルの統計的モデルを構築します。5 クラスの白身魚のデータの PCA-LDA プロットを示します(タラは黄色、コリは赤色、ハドックは緑色、スケトウダラは紫色、ホワイティングは茶色。クラスごとの魚のサンプル数 n = 50 ~ 194、サンプルごとに 8 ~ 12 の ROI を収集)。
ライブ認識のために分類されたデータ
真正サンプルを用いて統計的モデルを構築してバリデーションすると、このモデルをリアルタイムの分析に使用することができます。骨付き肉またはレバーに分類された 9 つのサンプルの測定データのイメージを示しています。サンプル中に認められた化学成分のアイデンティティーについてさらに情報を得るには、MS データを Progenesis QI でオフラインでさらに分析できます。