和光堂株式会社 研究開発二部
主任研究員 秋場 高司様にお話を伺いました。
―本日はお忙しいところありがとうございます。まず秋場様のお仕事の内容をお話しいただけますでしょうか。
秋場様(以下敬称略): 和光堂はベビーフードや粉ミルクなど赤ちゃん向けの製品を中心に扱っているということもあり、15年位前に安全や安心に対応しなければいけないということで立ち上がった部署が、分析研究室(当時)というところでした。その当時は残留農薬分析とミネラル・重金属分析を行っておりましたが、その後測定対象を増やしており、我々は危害物質と呼んでいますけれども、それらの分析を通じて食の安全や安心を担保していくというのがメインの仕事になっています。今は部署名が変わっていますが、こうした仕事をずっと続けている部署に所属しています。
―お仕事の中でLC/MSや、LCが関わるところは、かなり多いでしょうか。
秋場:そうですね。測定とか分析というキーワードのものはすべて我々のところに分析依頼がくるのですが、有機物分析、無機分析、異物の解析、さらにGMO検査やアレルゲン検査など様々です。有機物分析の分野で限っていくと、LCとGCに大きく分かれると思いますが、やはりLCの方が、ターゲットになるものは多いと思います。
―秋場様のところではLCとしてHPLCだけでなくUPLCもお使いいただいていますが、UPLCはどのような経緯で導入していただいたのでしょうか。
秋場:最初はMS/MSのインレットとしてUPLCを導入しました。取り込みスピードが速いということもあって、残留農薬などの分析をLC-MS/MSでする上では、UPLCというのはスタンダードになりつつある、ウォーターズさんに限らず各メーカーさん、考え方的には同じで、それがスタンダードになってきているのかなと思います。
―はい。
秋場:最近、栄養成分の分析法開発をお手伝いすることが多くなってきたということがあります。そういった中で、省力化、高速化の観点からUPLCが有効であることは分かっていたのでUPLC単体としても使いたい、だけどコンベンショナルHPLCの分析法の開発も手伝うこともある。さらに、栄養成分でアミノ酸分析もやりたいという話もあり、それらを総合的に考えると、H-Classはすべてを満たす最適な装置でした。また、稟議書に理由を書くのに、「1台3役です」というのは装置導入にあたり上層部を説得するのにとても有効でした。装置の稼働率も考えなければなりませんので。
―実際にH-Classを稼働されていて、HPLCとして使われるケースも結構ありますか。
秋場:導入して2年になりますが、今のところはないです。結構な台数のAllianceが入っているので・・・。ただ、それが埋まっていたとしても、必要な時は使えるようにということで、30cmカラムオーブンも横につけて、フルセットみたいな形で導入させていただいています。今はやはりUPLCとしてと、アミノ酸分析用として使用しています。いざというときにコンベンショナルLCとしても使えるというのは、すごくメリットだと感じています。
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