日産化学株式会社 物質科学研究所医薬研究部 様に
お話を伺いました。
―本日はお忙しい中、お時間をいただきありがとうございます。初めに、お2人の部署とお仕事内容についてお聞かせ頂けますか。
研究員1(敬称略): 新規医薬品の探索合成研究に従事している医薬研究部の創薬推進グループ化学技術チームに所属しています。化学技術チームでは探索化合物の合成・精製の支援や、分析装置の管理などを行っています。
―お二人の分析・分取装置に関連するお仕事としては、装置の管理や医薬研究部の研究員の使用する装置の支援ということでしょうか。
研究員1:私はそうです。
研究員2(敬称略):私はメドケムで、主に新規サンプルの探索合成を行っています。業務の一部として、数年前からキラル化合物の分析・分取に取組んでおり、研究部の中でキラル化合物の分析・分取のノウハウを集約してシステム化するために、昨年より研究員1と一緒に仕事をしています。
―所有されている分析・分取システムの数と、管理・運営の方法を教えていただけますか。
研究員1:医薬研究部では HPLC を十数台、LC-MS の分析用5台と分取用2台、そして SFC の分析用・分取用を各1台ずつ所有しています。基本、HPLC は探索研究員が主に使用しているもので、化学技術チームでは分析 LC-MS と SFC の管理と、依頼を受けて分取を実施しています。
―キラル化合物の分析・分取システムの割合はいかがでしょうか?
研究員2:SFC の分析・分取の各1台を主に使用しております。又 HPLC の分析・分取も各1台保有しています。
―キラル化合物に特化した LC システムも所有されているのですね。
研究員2:キラル化合物用として分析・分取 HPLC を1台ずつ所有し、管理も行っています。
―ありがとうございます。複数台の分析・分取装置をお持ちですが、同じフロアで管理されているのですか。
研究員1:フロアは複数階に分かれています。
―複数の装置を別フロアで管理されるにあたって、データの管理等はある程度一元化されていると聞いています。多くのユーザーが装置を使用してデータを取得されたり、確認されたりしていると思います。データ管理やデータの取り扱いの運営方法を教えていただけますか。
研究員1:昨年、ウォーターズさんの LC-MS を全てネットワーク化し、同時に解析用の PC を増設しました。今は居室と各フロアの実験室で全ての装置のデータが見られる状態になっており、居室にある PC に全てのデータをバックアップするという運営をしています。
―ネットワーク化によるメリットはございましたか。
研究員1:管理側としては、1か所ですべてのデータを確認できますので、メリットは大きいと思っています。
研究員2:あとは探索研究員が取得した LCMS データを、居室で NMR などの他の機器データとまとめて解析できるという面でとても便利になりました。
― 一部の装置をケミストの方に開放された時は、最初に管理してもらうまでには、色々調整することがあったかと思います。工夫されたことや考慮されたことは何かございますか。
研究員1:なるべくシンプルな形でメソッドや管理方法をマニュアル化しています。実際私がメインで管理しているのですが、それに加えて探索研究員が使用する装置は探索チームの中で担当者を決めていて、その人に日常の管理をしてもらっています。
―日常の管理を具体的に教えてください。
研究員1:装置の起動・終了と、標準物質を分析して問題ないかを確認しています。
―分析法をシンプルにされたということですが、具体的にどれぐらいのメソッドを準備しておけば、ケミストの方たちがうまく運用できるものですか。
研究員1:今、使っているのは、LC メソッドとしては3種類のグラジエント条件です。条件は一般的なものと高極性用、低極性用で、添加剤は3種類用意しています。実際は一番よく使うメソッドで分析の約8割を賄えています。
―カラムは何をご使用されていますか。
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