第一三共株式会社
製薬技術本部 分析評価研究所
佐々木 司様にお話を伺いました。―本日はお忙しいところありがとうございます。まず、現在どのようなお仕事をされているかお話いただけますか。
当研究所は製薬企業の分析評価部門となりますが、原薬及び製剤を一括して担当しております。開発候補品として扱われだす初期段階の化合物とそれに類する合成中間体や原料などの分析から、実際に申請資料として当局へ提出するような製剤の品質試験の分析とその取りまとめまで、業務内容が幅広い段階にわたっている点が弊社研究所の特色と言えるかと思います。私は以前は初期候補化合物に携わっていたのですが、現在は申請に近いところの仕事をしているので、LCを通して長い医薬品開発段階の初期から後期までの部分を経験できているかなという印象です。
―お仕事の中ではLCを使われることがかなり多いでしょうか。
はい、多いです。やはり不純物を測る方法としてLCが選択されることが非常に多く、品質評価の目安として肝になる部分の試験ですので、そういった意味でLCの需要というのはかなり大きいと感じます。
―佐々木様のお仕事において、コンベンショナルのHPLCで行う割合は少ないのでしょうか。
新しく設定される分析法については少なくなってきていますが、やはり従来からある方法だとなかなかUHPLC(超高性能LC)への置き換えが難しかったりします。あとはコンベンショナルのちょっとした荒っぽさというのですかね(笑)、特にキラル分析とか、順相系のような分析とか、イオンペアなど装置やカラムにかなりの負荷をかけるような試験法の場合はコンベンショナルが選択される場合もままあって、完全にUHPLCのみで仕事が完結するような状況ではまだありません。現状では両方持っている必要があると感じています。
―どちらかと言うと、UPLCの方向に変わって来ているという感じでしょうか。
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