ゲル浸透クロマトグラフィー (GPC) は特性解析において確立された有益な手法の1つです。しかし、多くの情報が得られる一方、GPC分析は長い分析時間がかかること、今日多くの製品開発プロセスで主流となっている低分子量から中分子量領域ポリマーの分離能が不十分なことなど、課題も残されています。これら課題解決のために、2013年、ウォーターズは、関連する化学工業業界のパートナー各社との緊密な協力のもとで開発された、溶液中のポリマー分離および特性解析のための、ACQUITY アドバンスドポリマークロマトグラフィー (APC) システムを発表しました。
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ACQUITY APCシステムは、GPCの代名詞であった長い分析時間の解消を実現しました。正確・再現性のあるポリマー平均分子量情報が最大20倍の早さで得られます。
ポリマー中に存在するオリゴマー・モノマーの情報を得ることは、プロセスの最適化・製品成型、樹脂材料の特性を知る上で重要な情報となります。しかし、従来のGPCでは低分子量ポリマーに対する分離能は必ずしも十分なものとは言えませんでした。
ACQUITY APCシステムは低分子量オリゴマーについて、これまでにない分離能を実現し、高機能ポリマーに関するさらに詳細な情報を得ることが可能となりました。
従来のGPCシステムとカラムには限界があり、さまざまな移動相溶媒とカラムを使い分けるためには複数台のシステムが必要でした。ACQUITY APCシステムのカラムケミストリーは従来型のポリマー材料ではなく、ポリマー分析に必要な種々の溶媒による充塡剤の膨潤が起こりません。そのため、移動相の種類を問わず、さまざまな分析メソッドを1台のシステムで運用可能となりました。