MALDI MS/MSによる精密質量測定

MALDI SYNAPT G2-Si MSシステムを用いると、イメージング、化学物質特性解析、プロテオミクス、医薬品探索のための最適な結果を得ることができます。2.5KHzのソリッドレーザーで強化されたMALDI SYNAPT G2-Siは、分析スピードが最大限向上します。感度と分析のスピードを最大化する場合、あるいはイメージングで空間分解能を最大化する場合と、目的に応じてレーザーのスポットサイズが選べます。

Tofアナライザーは直交加速型（oaTOF）で、イオンソース部が質量分析部から切り離されています。そのため、同軸型のMALDI-TofやTof/Tof装置と異なり、MS、MS/MSの両方において広い質量範囲での精密な質量測定が実現できます。SYNAPTは、ガラス製スライド上のパラフィン包埋組織切片のような非導電性サンプルにも十分に適合します。

高分解能イメージング (HDI) MALDIのワークフロー

MALDI SYNAPT G2-Si MSは、合理化されたイメージングワークフロー内にQuanTofテクノロジーを統合して、日常的に、信頼性の高いイメージング分析を実現しました。

HDI MALDIソリューションで、組織など画像化セットアップからデータ加工やイメージング作成まで、ターゲットのある（MS/MS）ワークフローとノンターゲットの（MS）ワークフローの両方に対応します。（フラグメントイオンに関連したドリフトタイムに基づく）相関ツールと統計ツール（PCA、OPLS-DA、散布図、階層的クラスタリング等）が搭載されており、一層インテリジェントで信頼性の高いイメージング分析が行えます。

SYNAPTは、UPLC/MS/MSとして使用することで、さらに能力を発揮します。バイオ検体からレーザー切離組織切片まで、ひとつのプラットホームで高パフォーマンスの定量・探索分析が可能です。

究極のUPLC/MS/MSパフォーマンス

SYNAPTは、1台のプラットホームでMALDIとUPLC/MS/MSの両方に使用できます。

QuanTof（飛行時間型定量分析） とStepWave、UPLCを組み合わせることにより、ピークキャパシティとデータの品質を最大化します。StepWaveは、その独自の機能で「能動的に」イオンを選択し、「受動的に」中性粒子の不純物を除去する、非常に高い感度と堅牢性をもったイオン源です。

他の質量分析と異なり、QuanTofは複雑なマトリックスのサンプルであっても、高分解能、高質量精度、 スペクトルや定量の広範なダイナミックレンジ、全質量領域における高速データ取得率をかなえることができます。

T-Wave IMSによる優れたポストイオン化分離にアップグレード

質量分離やMS/MSでは不十分なことがあります。高効率なT-Waveイオンモビリティーテクノロジーによって、分子の大きさや形状に基づいた高次元の分離が可能です。分子の衝突断面積（CCS）を利用する独自の測定機能によって、高分離能、高特異度、高感度そして高いレベルでの構造推定が実現します。これはイメージング研究や化合物の特性解析にとって大きなメリットになります。例えば、異性体の分離、干渉物の除去、より明瞭なスペクトルが実現し、ピーク分解能が向上します。またCCS測定によって化合物の同定性能も向上します。