フルスペクトル分子イメージングシステムは、SYNAPT XS または SYNAPT G2-Si 質量分析プラットホームにて利用可能です。これらのフルスペクトル分子イメージングシステムは、簡単にシステム構成を変更することで、他の UPLC-MS ベースのアプリケーションにおいて標準 ESI-Tof 装置として使用できます。
フルスペクトル分子イメージングシステムは、特定のタイプの分子(ペプチド、脂質、低分子代謝物、糖類など)を分析するのに非常に適した質量分析技術の組み合わせです。これらの技術は、質量分析イメージングで得られる情報を最大限包括的に提供するためにお互いに補完します。
以下が、フルスペクトル分子イメージングシステムに組み込むことができる技術です。
マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)イメージング
MALDIイメージングは、マトリックスが塗布されたサンプルから分子を分析するためのレーザベースの直接イオン化法です。 MALDIイメージングは、質量分析を用いたイメージング用途のための標準的な手法と考えられています。以下の特徴を有しています。
- 優れた空間分解能
- 多種多様な分子の分析が可能
- 高分子のイメージングに最適
脱離エレクトロスプレーイオン化(DESI)イメージング
DESIイメージングは、イメージング用途のための前処理の必要がない直接イオン化技術で、イオン化された溶剤スプレーを利用しています。ウォーターズは、従来のDESIイメージングの機能を強化することで、この革新的なイメージング技術に新たなレベルのユーザビリティとパフォーマンスを提供しました。以下にDESIイメージングを使用する利点の一部を示します。
- 最小限の前処理
- 脂質および低分子イメージングに最適
- 同一サンプルで複数回のイメージング実験が可能
イオンモビリティー
イオンモビリティーは、イメージング研究に分離の新たな次元を追加することができます。この技術では、分子のサイズおよび形状に基づいて分離することが可能です。イオンモビリティーは分子間の干渉を除去し、より精密に標的分子を分離するために有用であり、イメージングシステムの分子識別能力を高め、分析能力を向上させることができる独自の方法です。
以下の用途にイオンモビリティーを使用することができます。
- イメージングにおける分子間の干渉の除去
- 構造的に密接に関連した脂質のような分子の識別
- 特定のタイプの標的分子の分離