概要

MS情報の取り込み、分析、および共有

MassLynx™ソフトウェアによって、サンプルデータを価値のある情報に変換する速度が上がります。MS情報の取り込み、分析、管理、共有のための基本プラットフォームが提供されます。

MassLynxは、サンプルマネージャやソルベントマネージャのコンポーネントからMS検出器や追加の検出器まで、Waters MSシステム全体の制御を行います。MassLynxソフトウェアは、標準質量、精密質量、MS/MS、および精密質量MS/MSデータを取り込むことができます。

MassLynxのサンプルリストはシステムの中心となる部分です。すべてのサンプルのデータを維持し、統合します。また、サンプルリストからサンプルに関連する操作を開始します。この「サンプル中心」というアプローチは、LC/MSまたはGC/MSシステム、取り込んだデータや解析結果とのやり取りを簡単にします。

アプリケーション固有のデータを解析

MassLynx ソフトウェアは、一般的な目的、および特有のMS分析とデータに情報を提供する専用のアプリケーションマネージャを特徴としています。以下の2つはMassLynxに標準で付属しています。

• OpenLynx™　定性的なスクリーニングおよび同定を行う

オプションのアプリケーションマネージャは以下を行えます。

• 対象となる定量分析
• MSトリガーによる精製
• 代謝物の同定
• 複雑なクロマトグラムのデコンボリューション
• メタボノミクスとメタボロミクス
• タンパク質の同定とタンパク質の特性化

わかりやすい操作

MassLynxには、初心者のユーザであっても装置を簡単にご使用いただくことができます。MassLynxのツールバーを使用すると、装置のステータス情報、サンプルキュー、およびアプリケーションマネージャに簡単にアクセスできます。タブで一般的なツールまたはアプリケーション固有のツールを選択し、マウスを1回クリックするだけでキューと装置の間でステータスの表示が切り替わります。

MassLynxツールバーとサンプルリスト

優れたな装置制御

MassLynxソフトウェアでは、各MS検出器に構築されるリアルタイムインテリジェンスを利用しています。

MassLynxソフトウェアでは、各MS検出器に構築されるリアルタイムインテリジェンスを利用しています。

内部キャリブレーションの送液と診断ソフトウェアを統合するIntelliStart™テクノロジーでは、ソフトウェアはUPLC/MSおよびUPLC/MS/MS自動的にチューニングしてキャリブレーションし、完全なUPLC/MS/MSの性能チェックを行います。これにより、クロマトグラファは、ルーチン分析やオープンアクセスアプリケーションでUPLC/MS/MSデータを容易に取得できます。

MS^Eはデータに依存しない手法を使用し、1つの実験で検出可能なすべての成分に分子および構造の情報を与えます。同時に、DDA™( Data Directed Analysis)を使用する場合、対象となる成分が検出されると、MSからMS/MS取り込みに自動的に切り替わります。

MassLynx では、以下を含む各種のイオンソースが完全にサポートされています。

• ESI
• APcI
• ESCi^®
• Multi-Mode Ionization
• IonSABRE™
• APcI
• Photoionization (PI)
• LockSpray
• NanoLockSpray™
• MUX-technology™
• GC
• Direct probes
• MALDI MS

自動化されたデータ解析

MassLynxアプリケーションマネージャはアプリケーション固有のデータ処理を合理化します。MassLynxには2つのアプリケーションマネージャがあります。

定性分析のOpenLynx™

OpenLynxアプリケーションマネージャは、LC/UV、LC/MS、LC/MS/MS 、またはGC/MSデータでピークを検出し、特定の高次解析を行います。解析はバックグラウンドのスペクトルを差し引くのと同じぐらい簡単で、精密質量と同位体のパターンに基づく分析対象物の元素組成の予測と同じぐらい高度である場合があります。

通常の使用は以下のとおりです。

• 合成製品の確認
• 合成反応の純度と生成物の評価
• 元素組成の予測
• ユーザが作成したライブラリまたは市販のスペクトルライブラリを使用した成分の同定

Informatics製品との統合

MassLynxソフトウェアは、 Waters NuGenesis® SDMSなどのLaboratory Informaticsソリューションと自動的な統合を提供します。

MassLynxソフトウェアには、最新のファイル暗号化、オーディットログ、および安全なアーカイブ/復元テクノロジーに基づいて構築された21 CFR Part 11規則に対応したセキュリティ機能が含まれています。柔軟性の高いセキュリティシステムを使用すると、ラボの要件に合わせてセキュリティポリシーをカスタマイズあるいは導入することができます。

規制された環境での作業

MassLynxソフトウェアのセキュリティシステムの主なコンポーネントは以下のとおりです。

• セキュリティマネージャ — 各ユーザのアクセス権限を設定し、お客様のセキュリティプロトコルに合わせてオペレータ、管理者、および保守ポリシーを配置します。他のプロジェクト領域にアクセスできる複数のユーザグループに対して、必要に応じて完全に安全な操作を許可し、必要に応じてよりオープンな権限を持つよりオープンなプロジェクトでの操作を許可します。
• 安全なファイル暗号化 — 最新の暗号化およびチェックサムテクノロジによって、ファイルが不注意または意図的に改ざんされることを防ぎます。安全なファイルシステムのオプションのコンポーネントを使用して電子署名を追加します。
• オーディットログ — 編集できない非表示の暗号化ファイルはすべてのログオンイベント、ログオフイベント、およびセキュリティポリシーの変更を自動的に記録します。MassLynxプログラムモジュールは、すべてのファイルの生成や操作、またはイベントをモニタします。このログファイルはLogLynx™を使用して表示と検索が行われます。MassLynxセキュリティシステムのオーディットログだけでなく、QuanLynxアプリケーションマネージャには定量的なデータ処理に固有のものを記録する詳細なオーディットログがあります。
•  安全なアーカイブと復元 — データおよびファイルの完全性を損なうことなく、安全なデータをアーカイブし、復元します。