Time of flightの略で、日本語では飛行時間型とよばれています。質量分析計のひとつのタイプです。イオンを一定の高エネルギーで加速し、検出器に到達するまでの時間を計測することで精密質量を測定することができます。
前段に四重極を組み合わせることで任意のm/z (質量電荷比)のイオンのみを選択することが可能なハイブリッド型の四重極飛行時間型質量分析計が現在では一般的であり、コリジョンセル(衝突室)とよばれる場所でアルゴンガスなどの不活性ガスとイオンを高エネルギーで衝突させることでフラグメント化を生じさせ、イオンの部分構造から化合物の構造情報を得ることも可能です。この四重極飛行時間型質量分析計はウォーターズの質量分析部門の前身であるMicromassによって1996年に開発されました。
Tofによる分析によってプリカーサーイオンやフラグメントイオンの精密質量を取得することが可能なことから、従来は主に定性用途で用いられてきました。しかし、ウォーターズでは検出器にQuanTofテクノロジーを採用することによりダイナミックレンジが向上し、定性のみならず定量用途でも用いられるようになってきています。