ウォーターズの不活性(DV)ガラスバイアルでは、USPタイプⅠのボロシリケートガラス表面を短鎖有機シランの気相で処理してガラス表面のシラノール基を(Si-O-Si-R3)に変えています。この結果、ガラス表面が疎水性になり極性の高いサンプルとの結合が抑えられます。この表面処理は半永久的で、サンプルを長期保存しても問題ありません。※品質証明バイアルではありません。
ガラスバイアルそれとも不活性ガラスバイアル?
- 各アプリケーションに最適なサンプルバイアルを選択するためのファクター
サンプルバイアルなどの理化学用のガラスには、熱膨張係数が小さく化学的に活性の低いUSP (米国薬局方) タイプⅠのボロシリケートガラスが使用されます。ボロシリケートガラスは極性の高いシラノール(Si-O-H)基が表面にあるため、アナライト(測定物質)がガラスと相互作用または結合して正しい定量値が得られないことがあります。 分析サンプルの性質(アナライトの極性/アナライトの濃度/サンプルの容量に対する表面積の比率 )を理解して適切なバイアルを選択する必要があります。
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問題なし | ガラス表面の シラノール基と 水素結合 |
どんなアナライトの時に不活性バイアルを考えたらいいの?
一般的なC18カラム・移動相条件でテーリングするような化合物(ペプチド・タンパク質等の生体成分、医薬品、除草剤など)など、ガラス表面のシラノール基と水素結合するアナライト。
どの位のサンプル量・濃度で不活性バイアルが必要?
| サンプル | 濃度 | 表面積/サンプル容量比率 | DVバイアルは必要? |
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 | 微量インサートに サンプル50uL** | 高 低 | 高 高 | 場合により ・・・・③ 推奨 ・・・・④ |
*ガラスと接するサンプル表面積:1.5mL-2cm
2**ガラスと接するサンプル表面積:50uL-1cm
2①&② 2mLバイアルに1.5mLサンプルを入れるとガラスと接するサンプル表面積は約2.0cm2で、サンプル容量に対する表面積の比率は2.0cm2/1.5mLで低い値です。アナライトの濃度が高い場合(①)には、吸着が起きたとしても影響は非常に小さいため不活性バイアルを使用する必要性はあまりありません。アナライトの濃度が低い場合(②)には、多少の影響が考えられますので、不活性バイアルを使用した方いいかもしれません。 ③&④ 微量インサートに50μLサンプルを入れるとガラスと接するサンプル表面積は約1.0cm2で、サンプル容量に対する表面積の比率は1.0cm2/50μLと高い値です。アナライトの濃度が高い場合(③)には、吸着が起きたとすると多少の影響が考えられますので、不活性バイアルを使用した方がいいかもしれません。アナライトの濃度が低い場合(④)には、定量値に大きな影響があることが予想されますので、不活性バイアルの使用が推奨されます。
島津製オートインジェクタ
Agilent製オートインジェクタ
ウォーターズAlliance 2795, 2790
ウォーターズAlliance 2695, 2690
ウォーターズACQUITY UPLC ※プレスリットタイプをご使用ください。