速報:カラムサイズ低減による溶媒消費量の削減

現在アセトニトリルの不足が世界的に懸念されています。
アセトニトリルは液体クロマトグラフィー(LC)の溶離液として多く使用されるため、HPLC、LC/MS分析をされる方にとっては大きな影響が予想されます。

アセトニトリルをメタノールなどの他の溶媒に置き換えられる場合もありますが、物性や選択性の問題で容易に変更するのは難しいため、分析あたりの溶媒消費量をなるべく削減することが求められています。

溶媒消費量削減の方法としまして、カラムサイズ低減が挙げられます。ここでは、カラムサイズが溶媒消費量および分析に与える影響をご紹介します。

カラムサイズが分析に与える影響

カラム内径の影響
下記の表はHPLCで一般的に良く使用されるカラム内径4.6mmの値を1として得た相対的な計算値です。カラム断面積での比較になりますので、計算式は(内径1)2/(内径2)2を用いています。カラムの内径 を4.6mmから3mmにすると大きな溶媒削減効果が得られることが分かります。ここで示した相対感度の増加は理論値ですが、実際には感度は配管や検出器フローセル部分などカラム以外の流路におけるピーク拡散に依存します。2.1mm以下になるとカラムボリュームが小さくなり一般的なHPLCシステムではカラム外の流路におけるピーク拡散の影響を大きく受けるため、 システムボリュームの小さい装置 の使用を推奨致します。
以上から一般的なHPLCシステムでは3mmカラムを使うことによって大幅な溶媒量削減が可能になります。更に ACQUITY UPLC を使用することでさらなる溶媒量削減が実現します。

カラム内径(mm)
相対流速
相対感度(試料量)
相対試料量
相対溶媒削減率(%)
4.6
1
1
1
0
4
0.76
1.3
0.76
24
3.9
0.72
1.4
0.72
28
3
0.43
2.4
0.43
57
2.1
0.21
4.8
0.21
79
2
0.19
5.3
0.19
81
1
0.05
21.2
0.05
95

表はカラム長および充てん剤の種類および粒子径が同じとみなした場合
 

カラム長の影響
カラム長は15cmを基準にして計算式は(カラム長1)/(カラム長2)を用いて計算しています。カラムが短いほどカラムにかかる圧は小さくなるので流量を大きくして短時間で分析することができます。

カラム長(cm)
相対分析時間
相対背圧
相対溶媒削減率(%)
25
1.67
1.67
-67
15
1
1
0
10
0.67
0.67
33
5
0.33
0.33
67
3
0.2
0.2
80
2
0.13
0.13
87

表はカラム長および充てん剤の種類および粒子径が同じとみなした場合
 
同じ粒子径でカラム長が短くなると分離能は低下します。同じパーティクルを用いたカラムではカラム長(L)/粒子径(dp)を一定にすれば同じ分離能が得られますので、例えば XBridge C18* の粒子径5um、15cmカラムで得られた分離が粒子径が1.7umの UPLC BEH C18* では5cmのカラムで同等の分離が実現でき、溶媒量を大幅に削減できます。
*XBridgeカラムとUPLC BEHカラムはどちらもBEH:エチレン架橋型ハイブリッドパーティクルテクノロジーを採用しています。
 

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