このアプリケーションブリーフでは、ポリエチレンオキシド/ポリエチレングリコール(PEO/PEG)のゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)分析(サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)とも呼ばれる)に用いた Waters Arc HPLC システムの性能を評価します。
ゲル浸透クロマトグラフィーには、高精度の流速と再現性のある結果が得られる高速液体クロマトグラフィー(HPLC)システムが必要です。GPC 技法では、保持時間が分子量の対数に対してプロットされ、再現性のあるクロマトグラフィーピークを得るために、ポンプによって一貫したアイソクラティック送液が生成される必要があります1。 未知サンプルの分子量測定に最も頻繁に使用される分析法では、サンプルを、幅の狭い分子量のポリマー標準試料の相対検量線に対して比較します2。
流速は、表 1 に記載されている多くの Arc HPLC GPC 分析法パラメーターの 1 つです。このアプリケーションでは、検量線の生成にポリエチレングリコールおよびポリエチレンオキシド標準試料(PEG/PEO)を使用します(図 1)。
図 2 に示されているように、PEO/PEG 混合分子量標準試料の 6 回の注入の重ね描きにより、Arc HPLC ポンプの優れた流速精度が実証されています。Waters Arc HPLC システムで、2 本のリニア GPC カラムを使用し、分析時間 30 分間で、ピーク保持時間およびピーク分子量(Mp)の相対標準偏差 0.3% 未満が得られます(表 3 および 4)。
Empower 3 には、多くの機能が内蔵されており、通常はスプレッドシートで作成する高度なデータレポートを作成できます。よく使用されるレポート領域は、システム適合性機能に含まれるカラムの理論段数です。カラムの理論段数を報告することで、性能のあらゆる変化について、カラム効率をグラフ化し、観察することができます(表 5)。
Empower 3 ソフトウェアを搭載した Arc HPLC は、基本的なクロマトグラムや複雑なクロマトグラム、および計算のための非常に有能な GPC データ解析ツールです。この実験では、基本的な GPC 計算について実証します。この実験では、単分散 PEO/PEG 標準試料をキャリブレーション標準試料およびブロード未知試料として使用しています。このアプリケーションで選択された分析法および標準試料は、炭水化物のようなポリマーの水性 GPC に一般的に使用されます3。公称 700 万ダルトンの広い分子範囲に対してリニア Ultrahydrogel カラムが選択され、2 本の同じカラムがポリマーピークの高度分離に使用されています4。表 5 に示す Empower 3 ソフトウェアの報告可能なピーク結果フィールドの部分的なリストには、Mn、Mw、Mp、Mz、Mz+1、および分散度が含まれます。ポイントツーポイントで 1 次近似から 5 次近似までを使用した相対および修正ユニバーサルキャリブレーションタイプが使用可能であり、相対キャリブレーションの例が図 1 に示されています。
アイソクラティックモードの Arc HPLC ポンプにより、高品質ゲル浸透クロマトグラフィーに必要な優れた流速精度が得られます。
GPC オプション付き Empower 3 ソフトウェアを使用して、すべての基本 GPC 計算が行え、多数の複雑な GPC 計算にアクセスできます。
2 本のリニアカラムを使用して、30 分間という短い分析時間が実証されました。
720007334JA、2021 年 8 月