• アプリケーションノート

AccQ•Tag™ Ultra C18 2.5 µm カラムを使用した、信頼性の高いアミノ酸分析における装置に関する検討事項

AccQ•Tag™ Ultra C18 2.5 µm カラムを使用した、信頼性の高いアミノ酸分析における装置に関する検討事項

  • Kimberly Martin
  • Kenneth D. Berthelette
  • Paula Hong
  • Waters Corporation

要約

加水分解したタンパク質、細胞培地、食品サンプルおよび飼料サンプルを含む幅広いサンプルに対して、アミノ酸分析が日常的に行われています。一方、従来の HPLC メソッドは、分析時間が長く、低感度です。このような課題に対処するため、ウォーターズは、UPLC 分析に適した ACQUITY™ UPLC™ AAA ソリューションを作成しました。このソリューションには、プレカラム誘導体化キット、粒子径 2 µm 以下のカラム、およびパッケージ化した移動相が含まれています。これらの信頼性および再現性の高いメソッドを、粒子径 2 µm 以下から HPLC の粒子サイズ(2.5 µm)までスケーリングし、適応させることで、幅広い範囲のシステムに適合する条件で AccQ•Tag™ Ultra ソリューションのケミストリーを低圧で使用できます。この試験では、UPLC から UHPLC/HPLC システムにこのプレカラム誘導体化手法を適応させる際の検討事項について実証します。分離法を適応させ、最適化した後、直線性、再現性、併行精度、定量限界、検出限界などの性能を実証しました。

アプリケーションのメリット

  • 定評のある AccQ•Tag UPLC メソッドを、Arc HPLC および ACQUITY Arc™ クロマトグラフィーシステムを含む HPLC システムでの分析用にスケーリング
  • 分析カラムの寿命を延長し、分析あたりのコストを削減するのに有効な AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm VanGuard™ カートリッジを使用して、AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムの性能を維持
  • AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを使用することで、従来の HPLC メソッドと比較して分析時間が短縮し、より高いスループットおよび溶媒消費量の削減が実現

はじめに

アミノ酸分析(AAA)は、UV 吸光度が低いまたはないこと、そしてアミノ酸の幅広い化学特性により、非常に困難になる場合があります。このような課題を考慮し、カルバミン酸 6-アミノキノリル-N-ヒドロキシスクシンイミジル(AQC)を使用したプレカラム誘導体化の後に逆相分離を行ったところ、これが、UHPLC/UPLC システムを用いたアミノ酸の定量分析において非常に再現性が高い手法であることが分かりました。ただし、高圧システムが利用できない場合もあります。古いカラムを使用する従来の HPLC メソッドでは、感度が低くて分析時間が長く、複雑な移動相の使用が必要になります。そのため、安定した誘導体化手法と、最新の再現性の高いカラムを用いた HPLC メソッドにより、低圧システムでも再現性が非常に高いアミノ酸分析法が得られます。

実験方法

サンプルの説明

すべてのキャリブレーション標準試料は、ノルバリン(製品番号:186009301)を内部標準、0.1 N HCl を希釈溶媒として使用して、Waters アミノ酸標準(製品番号:WAT088122)から調製しました1。 内部標準のストック溶液は、0.1 N HCl 中に濃度 2500 µM になるように調製しました。キャリブレーション試薬の最終濃度は、すべてのアミノ酸について 1、5、10、20、50、100、200、500 µM(ただしシステインは半分の濃度)で、ノルバリン(内部標準)は 250 µM でした。精度サンプルは 500 µM(システインは 250 µM)の濃度で調製しました。ノルバリンは 250 µM で一定に保ちました。

LC 条件

LC システム:

Arc HPLC システム、30 cm CHC、パッシブプレヒーター搭載

ACQUITY Arc システム、CH-A カラムヒーター搭載

検出:

Arc HPLC-2489 TUV 検出器、10 mm HPLC 分析フローセル搭載(製品番号:176248901)

ACQUITY Arc-2489 TUV 検出器、低拡散 10 mm UHPLC フローセル搭載(製品番号:176017007)

波長:

260 nm

サンプリングレート:

10 Hz

バイアル:

LCGC 品質保証透明ガラス 12 × 32 mm スクリューネックバイアル、トータルリカバリー、キャップおよび PTFE/シリコンセプタム付き(スリットなし)(製品番号 186000384C)

カラム:

AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm、4.6 × 150 mm(製品番号:186010407)

カラム温度:

43 ℃

サンプル温度:

20 ℃

注入量:

3 µL(Arc HPLC)および 2 µL(ACQUITY Arc)

流速:

1.5 mL/分

移動相 A:

AccQ•Tag 溶離液 A(製品番号:186003838)

移動相 B:

90:10(v/v)水:AccQ•Tag Ultra 溶離液 B

移動相 C:

Milli-Q 水

移動相 D:

AccQ•Tag 溶離液 B(製品番号:186003839)

サンプルマネージャー洗浄

95:5(v/v)水:アセトニトリル

サンプルマネージャーパージ

95:5(v/v)水:アセトニトリル

グラジエントテーブル

データ管理

クロマトグラフィーデータシステム:

Empower™ 3、FR 3.6.1

結果および考察

幅広い種類のアミノ酸を分離する場合、温度、グラジエント送液、その他の条件のわずかな変化が保持性や選択性に影響を及ぼすため、困難になります。このような課題があることから、複数の液体クロマトグラフィー(LC)システム間の相違により、直接スケーリングを行うことがさらに困難になり、システムごとにメソッドの最適化が必要になります。この試験では、タンパク質加水分解物からアミノ酸を分離するための分析法条件を、2.1 × 100 mm カラム1 から 4.6 × 150 mm カラムに適応させました。アミノ酸のプレカラム誘導体化をカルバミン酸 6-アミノキノリル-N-ヒドロキシスクシンイミジル(AQC)2を使用して行った後、逆相液体クロマトグラフィーでこの誘導体を分離しました。 

装置の検討事項

最初の分離のスカウティングにおいて、ACQUITY UPLC H-Class AccQ•Tag Ultra ソリューションからの分析法をスケーリングし、ACQUITY Arc システムで試験しました。適切な分離およびクロマトグラフィー性能を得るためには、分析法の調整が必要でした。最終的な分析法条件を評価するために、システム間のばらつきをコントロールするように ACQUITY Arc システムおよび Arc HPLC システムの両者を選択しました。いずれのシステムもクオータナリーポンプ、フロースルーサンプルマネージャー、パッシブプレヒーター搭載カラムヒーター、TUV(チューナブル波長)検出器で構成されています。

カラム外容量またはバンド拡散の差を理解し、コントロールするためにこの 2 つのシステムを選択しました。2 つのシステムの主な違いは、ニードルからカラムまでのチューブの内径(ID)、ポストカラムチューブ、およびフローセルの容量です。ACQUITY Arc では低拡散チューブ(内径 0.005”)、パッシブプレヒーター、低拡散 10 mm フローセルを使用し、カラム外容量は約 25 ~ 35 µL(4 σ)です3。 それに対して、Arc HPLC システムでは内径の大きいチューブ(内径 0.010”)、パッシブプレヒーター、ステンレススチール製インレットチューブの付いた標準の 10 mm フローセルを使用しており、カラム外容量は約 45 ~ 75 µL (4 σ)です3。 各システムのカラム外拡散またはバンド拡散は、異なるカラムヒーターオプション、ニードルのサイズ、チューブのサイズ、検出器、フローセルの影響を受けます。

各システムにおいて、カラム外拡散の差により、クリティカルペアの分離の低下および/または強溶媒の影響に起因する早く溶出するピークの歪みが生じる場合があります。例えば、内径(ID)の大きなポストカラムチューブにより、クリティカルペアが分離しなくなる可能性があります。また、内径の小さなプレカラムチューブでは、強溶媒の影響により、早く溶出するピークに歪みが生じる場合があります。幅広い範囲の LC システムでの適合性を評価するために、最終的な分析法を、最小クロマトグラフィー性能、再現性、精度、直線性、検出限界、および定量限界について、両方の LC システムで試験しました。

HPLC でのアミノ酸分離におけるメソッドの最適化

元のメソッドは、既存の UPLC ソリューションからスケーリングしたものですが、分析の感度の観点から、メソッドの最適化が必要でした。最適化にはカラム温度および注入量の調整を含めました。以前の試験において、システムのわずかな変更がヒスチジンのピーク形状に影響することが分かっていたため、注入量を評価しました4。 参照した研究で見られたピークの歪みは、サンプルと移動相の混合が不十分であることに起因して強溶媒の影響によって生じたフロンティングによるものです。非対称なピーク形状を最小限に抑えるために複数の調整が可能ですが、注入量の調整が有効であることが分かりました。

評価を行った 2 つのシステムについて、さまざまな注入量を試験し、対称的なヒスチジンのピーク形状を得るのに最適な注入量について評価しました。Arc HPLC システムでは、注入量が 4 µL を超えると大きなピークの歪みが生じることが分かりました。さらに、3 µL と比較して、4 µL の注入において検出限界(LOD)または定量限界(LOQ)に差が見られませんでした。したがって、良好な結果を得るためにこの低注入量を選択しました(図 1)。ACQUITY Arc システムでは、注入量が 2 µL を超えると有意により大きなピークの歪みが生じたため、このシステムでは、注入量 2 µL を許容値に設定しました(図 2)。

図 1. Arc HPLC で得られたタンパク質加水分解物 AA 標準試料(500 µM)のクロマトグラムからの注入量の決定 
図 2. ACQUITY™ Arc で得られたタンパク質加水分解物 AA 標準試料(500 µM)のクロマトグラムからの注入量の決定 

各システムにおいて注入量の最適化を行った後、クロマトグラフィー性能を比較しました(表 1)。両システムにおいて、タンパク質加水分解物中のアミノ酸について、許容範囲内の USP 分離度(2.0 以上)およびピーク形状が得られました(図 3 および図 4)。 

図 3. AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを Arc HPLC システムで使用した場合の、タンパク質加水分解物 AA 標準試料(500 µM)のクロマトグラム
表 1. ACQUITY Arc HPLC および Arc HPLC システムの両方で AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを用いた場合の、加水分解物標準試料(500 µM)の保持時間および UPS 分離度の結果
図 4. ACQUITY Arc システムで AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを使用して得られたタンパク質加水分解物 AA 標準試料(500 µM)のクロマトグラム

Arc HPLC および ACQUITY Arc システムで AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを使用したアミノ酸分析の検証

分析法の調整を行った後、保持時間およびピーク面積の両方について十分な併行精度が得られるように、タンパク質 AA 加水分解物標準試料を使用して各システムを試験しました。保持時間の併行精度は、グラジエントを再現性よく送液するポンプの能力の目安であり、面積の併行精度はインジェクターの精度を反映します。両方のシステムについて、前述の事前定義済み注入量で、同じサンプルを繰り返し注入して試験しました。いずれのシステムも、保持時間の併行精度の標準偏差は 0.005 分(0.3 秒)未満であることがわかり、クオータナリーポンプの性能の高い再現性が実証されました。それぞれのポンプは類似していることから、同等の結果になるのは予測されたことでした。

注入量が異なるにもかかわらず、各システムで、面積の精度についても同等の結果が得られました。Arc HPLC システムで注入量 3 µL で試験したところ、すべての加水分解アミノ酸について、面積の RSD は 0.2% ~ 0.6% でした。ACQUITY Arc システムでは、注入量 2 µL で試験したところ、加水分解物について面積の RSD は 0.1% ~ 0.3% でした。両システムで良好な面積の併行精度が実証されました。保持時間およびピーク面積の再現性の結果は、表 2 および表 3 に示します。 

表 2. AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを Arc HPLC システムで使用して得られた、タンパク質加水分解物 AA 標準試料(500 µM)の保持時間および面積の併行精度の結果
表 3. AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを ACQUITY Arc システムで使用して得られた、タンパク質加水分解物 AA 標準試料(500 µM)の保持時間および面積の併行精度の結果

保持時間および面積 RSD の日内精度および日間精度

アミノ酸の分析および定量では、併行精度に加えて日内精度および日間精度も重要です。ACQUITY Arc および Arc HPLC の両方で、3 日間にわたって、1 日に 6 サンプルを試験しました。内部標準を使用してサンプル前処理の差を標準化しました。分析では、6 回の繰り返し注入の日内精度および 3 日間にわたる 6 回の注入の累積精度を評価しました。

両システムでの結果において、保持時間および面積の日内精度が高いことが実証されました。保持時間は 3 日間にわたってすべて RSD 0.35% 以内で、精度は各システムについての予測保持時間の範囲内に問題なく収まっていました。ピーク面積の %RSD は、1 日内では 0.5% 以内、3 日間全体では 0.6% でした。この結果から、ACQUITY Arc システムおよび Arc HPLC システムの両方で再現性が実証されました。

表 4. AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを Arc HPLC システムおよび ACQUITY Arc システムで使用して得られた保持時間および面積の日間再現性

直線性および検出限界/定量限界

すべてのアミノ酸について正確な定量を行うために、ACQUITY Arc システム(2 µL 注入)および Arc HPLC システム(3 µL 注入)の両方で直線性ならびに LOD および LOQ を評価しました。直線性は、加水分解物標準試料を 1 µM ~ 500 µM の範囲の 8 種の濃度レベルで注入して決定しました。両方の装置についての検量線で、すべてのアミノ酸について許容できる R2 (0.995 超)が得られました。ダイナミックレンジ全体にわたる標準試料の分布を考慮して、検量線には 1/x 重み付けを行いました。シグナル対ノイズ 10:1 以上と定義される LOQ は、いずれのシステムでも 1 µM でした。LOQ を超える値はすべて偏差 5% 未満を示し、LOQ での偏差は 25% 未満でした。注入量が異なるにもかかわらず、両方の装置において、シグナル対ノイズ比 3:1 に基づく LOD は 0.5 µM と判定されました。ACQUITY Arc では、Arc HPLC システムよりも注入量が少なかったにもかかわらず、ACQUITY Arc システムではカラム外拡散またはバンド拡散が少ないために、LOQ および LOD が維持され、そのために、Arc HPLC システムと比較してピーク幅が狭くなりました。 

表 5. ACQUITY Arc および Arc HPLC システムで AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムを使用して得られた、タンパク質加水分解物 AA 標準試料(1 ~ 500 µM)の各濃度レベルでの直線性における R2 および偏差(%)の結果

AccQ•Tag Ultra™ C18 2.5 µm VanGuard カートリッジがクロマトグラフィー性能に及ぼす影響

アミノ酸の分析は困難ですが、実サンプルの複雑なサンプルマトリックスでは複雑さのレベルがさらに上がります。AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm カラムの寿命を延ばすには、分析時に AccQ•Tag Ultra C18 2.5 µm VanGuard カートリッジを使用することが推奨されます。ただし、ガードデバイスの使用によりクロマトグラフィー分離に悪影響が出ないことを確認することが不可欠です。

ガードデバイスの影響を評価するため、AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムを VanGuard カートリッジあり/なしの状態で試験しました。VanGuard カートリッジは、カラムを保護しつつ、クロマトグラフィー性能を維持できるように設計されています。この試験は ACQUITY Arc システムで行い、分離およびピークテーリングに対する影響を調べました。結果から、VanGuard カートリッジによる大きな分離の低下は見られませんでした。また、一部のクリティカルペアでは、分離度に改善が見られました(Leu/Ile)。さらに、すべての USP 分離度の値がベースライン分離を示しており(2.0 超)、再現性の高い定量が確保されました。さらなる分析により、USP テーリングおよびピーク幅の値がすべて同等であり、ガードカートリッジの追加による悪影響はないことが明らかになりました(図 5)。数値データは表 6 に示します。

図 5. AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムに AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm VanGuard カートリッジ 3.9 × 5 mm を取り付けていない状態(上)と取り付けた状態(下)で、2489 検出器搭載 ACQUITY Arc を使用したタンパク質加水分解物 AA 標準試料の分析
表 6. AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムに AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm VanGuard カートリッジ 3.9 × 5 mm を取り付けた状態と取り付けていない状態での、タンパク質加水分解物 AA 標準試料の分析で得られた USP 分離度、USP テーリングおよびピーク幅 @ 4.4%

AccQ•Tag Ultra™ C18、2.5 µm カラムのカラム間およびバッチ間での再現性

ACQUITY Arc システムおよび Arc HPLC システムの性能評価に加えて、カラム間およびバッチ間のばらつきも評価しました。カラム間再現性について、同じロットの 2 本のカラムを、ACQUITY Arc システムで同じ移動相を使用して試験しました。各カラムで 6 回の注入を行い、平均値を記載しました(表 7)。保持時間に若干のばらつきが見られたものの、すべての値は保持時間の予測値の範囲内であり、2 本のカラムは明らかに同一と見なせることが分かりました。両方のカラムで、保持時間の標準偏差はすべて 0.29 分(30 秒)以内であり、良好なクロマトグラフィー性能であることが示されました。 

図 6. ACQUITY Arc システムで AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムを使用したタンパク質加水分解物 AA 標準試料の分析のバッチ内再現性
表 7. ACQUITY Arc で AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムを使用したタンパク質加水分解物 AA 標準試料の分析の保持時間のバッチ間再現性

カラム間のばらつきの試験は不可欠ですが、メソッドの頑健性を保証するためには、3 つの異なるバッチの充塡剤で試験することが推奨されています。この試験のため、3 本の AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムのそれぞれに異なるバッチの充塡剤を充塡してそれらを Arc HPLC システムで試験しました。カラム間試験と同様、ばらつきを最小限に抑えるため、同じバッチの移動相およびサンプルを使用しました。結果から再現性が良好であることがわかり、試験した 3 バッチの間で分離の変化は見られませんでした。すべてのアミノ酸は予測した保持時間の値の範囲内であり、ピーク間で同様の分離が見られました。これらの結果から、異なるロットの充塡剤の間でも分析法の頑健性が実証されました(図 7 および表 8)。 

図 7. AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムを使用したタンパク質加水分解物標準試料の分析のバッチ間再現性
表 8. Arc HPLC で AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm 4.6 × 150 mm カラムを使用したタンパク質加水分解物標準試料の分析の保持時間のバッチ間再現性

結論

アミノ酸の分離は課題となる場合があり、システムの特性が分析法の性能に影響を及ぼします。UHPLC/HPLC システムは一般に多くの分析に適していますが、アミノ酸の分離の要件を考慮すると、アミノ酸の分離における各システムのカラム外容量またはバンド拡散の影響評価が重要になります。カラム外拡散の差により、内径が大きいポストカラムチューブによる分離の低下、あるいは内径が小さいプレカラムチューブによるピークの歪みのいずれかが生じる場合があります。

この研究では、ACQUITY Arc システムおよび Arc HPLC システムで、AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm、4.6 × 150 mm カラムを使用して、頑健で精密かつ効率的なアミノ酸分析法を開発し、最適化しました。各システムについて注入量を最適化し、必要な感度を達成しつつ、強溶媒の影響を最小限に抑えることができました。

幅広い範囲の LC システムでの適合性を評価するため、最終的な分析法を、最小クロマトグラフィー性能、再現性、精度、直線性、検出限界および定量限界について試験しました。結果により、Arc HPLC システムおよび ACQUITY Arc システムで、AccQ•Tag Ultra C18、2.5 µm、4.6 × 150 mm カラムを使用して、加水分解物のアミノ酸の分離が行えることが実証されました。 

参考文献

  1.  Amino Acid Standard Kits Care and Use Manual.Waters Care and Use Manual, 720006663, 2020.
  2.  Amino Acid Analysis Application Notebook, 720006130, 2020.
  3. Paula Hong, Patricia R McConville.“Dwell Volume and Extra-Column Volume: What Are They and How Do They Impact Method Transfer,” Waters White Papers, 720005723, April 2018.
  4.  Jennifer Simeone, Paula Hong.“Instrument Considerations for Successful Adaptation of Amino Acids Analysis Methods Which Utilize Pre-Column Derivatization from an ACQUITY UPLC to an ACQUITY UPLC H-Class PLUS Binary System,” Waters Application Note, 720007368, 2021.

720007678JA、2022 年 7 月

トップに戻る トップに戻る