ジスルフィドリッチ糖タンパク質の RapiFluor-MS 標識糖鎖サンプルの自動前処理
要約
N 型糖鎖は多くの治療用タンパク質の安全性および有効性に影響を及ぼすため、バイオ医薬品の品質管理においては、そのモニタリングがルーチンに行われています。現行の糖鎖解析は、既に多くの研究が行われているモノクローナル抗体(mAb)の糖鎖について開発されたものです。今回、複数のジスルフィド結合を含む非常に複雑な糖タンパク質である、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)から遊離した N 型糖鎖の再現性の高いプロファイルが得られる補完的な分析法を紹介します。自動還元タンパク質プロトコルは、研究環境だけでなく商用環境にも適しています。
アプリケーションのメリット
- 迅速な自動プロトコルで 32 サンプルを 1 時間で処理
- 複雑でジスルフィドが多い糖タンパク質における再現性の高い糖プロファイル
- 研究環境だけでなく商用環境にも適した QC で使いやすいプロトコル
はじめに
N 型糖鎖解析は困難ですが、ルーチン分析に必要なものです
多くの治療用糖タンパク質の構成要素である N 型糖鎖は、タンパク質のフォールディング、構造、安定性に極めて重要な役割を果たしています1。N 型糖鎖は、アスパラギン(Asn)側鎖の窒素原子の部分で糖タンパク質に共有結合している糖です1。N 型糖鎖の生合成は、化学合成とは異なり、複数の酵素が様々な段階で連続して関わる協調した過程であり、結果として、高マンノース型、ハイブリッド型、複合型など の多様な構造の N 型糖鎖が生じます1。このような構造の不均一性のため、糖鎖の分析は技術的な課題を多く抱えています2。
糖鎖は、製造条件の影響を大きく受け、バイオ医薬品の効能や臨床上の安全性にも影響を及ぼします2。そのため、医薬品開発業者やメーカーは、バイオ医薬品の品質を保つために、糖タンパク質から遊離した糖のモニタリング、特性解析、同定を行う必要があります2。更に、精巣がん3や子宮外妊娠などの疾患のバイオマーカーとして N-グリコシル化タンパク質の分析が行われています4。疾患と関連するこれらの糖タンパク質は、一層構造が複雑になり、不均一です4。N 型糖鎖の遊離を促進するアプローチの 1 つとして、糖タンパク質中のジスルフィド結合を減らして、糖タンパク質をアンフォールドしやすくするアプローチがあります。これにより、アクセスしにくい N 型糖鎖が曝露して PNGase F により遊離しやすくなります。ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は、その構造が非常に複雑なことから、このアプローチが適しています。hCG は主にその子宮外妊娠における役割について知られており、図 1 に示すように、複雑な N 型糖鎖および複数のジスルフィド結合で構成されています4。
まず、ジスルフィドリッチ糖タンパク質について、GlycoWorks RapiFluor-MS の手順5,6では、トリス(2-カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)の還元剤としての使用が概説されています。TCEP 還元は RFMS 標識糖鎖の HILIC 分離に適合していますが、TCEP 還元の副生成物が RFMS 標識糖鎖の逆相ミックスモード(RP/AX)分離に干渉することが示されています。その結果、N 型糖鎖の RP/AX 分離に大きく干渉しない最適な量の糖タンパク質およびジチオスレイトール(DTT)を還元剤として使用する手順が開発されました。
GlycoWorks RapiFluor-MS 還元プロトコルにより、N 型糖鎖解析のための迅速で効率的なソリューションが実現
新しい還元プロトコルは、ジチオスレイトール(DTT)と酢酸アンモニウムという 2 種類の試薬が導入されている以外は、Andrew+ ピペッティングロボットでの元の GlycoWorks RapiFluor-MS(非還元)プロトコル7と類似しています。DTT を使用することで、一部の N 型糖鎖に対する PNGase F 酵素の有効性を妨げる可能性のあるジスルフィド結合が減ります。ACQUITY Premier Glycan BEH C18 AX カラム(製品番号:186009758)などの RP/AX カラムを使用する際の干渉ピークを最小限に抑えるために、酢酸アンモニウムを反応停止溶液として使用しました。HILIC カラムを使用する場合は、酢酸アンモニウムはオプションです。図 2 に、1)還元および脱グリコシル化、2)標識および反応停止、3)クリーンアップの 3 ステップを含む還元プロトコルの概要を示します。
実験方法
サンプルの説明
手動のサンプル前処理法は、プロトコル(720006992JA8 および 720006991JA)に記載されています9。使用する実験器具にあわせて自動プロトコルでの糖鎖の高い回収率を維持するため、これらのプロトコルに調整を加えました。まず 3 種類の溶液を調製しました。インタクト mAb 質量チェック用標準品(製品番号:186006552)(1 mg/バイアル)を 830 µL の 18.2 MΩ 水に再溶解し、1.2 mg/mL のモノクローナル抗体(mAb)溶液を得ました。2 µg/µL DTT 変性バッファーを含む 3% RapiGest 界面活性剤(製品番号:186008090)は、まず 3 mg の RapiGest を 60 µL の GlycoWorks Rapid バッファー(製品番号:186008939)に溶解し、40 µL の 5 µg/µL DTT 溶液(水)をこの界面活性剤混合物に添加して調製しました。Rapid PNGase F 酵素(30 µL)(製品番号:186008939)は 220 µL の水で希釈しました。脱グリコシル化は、10 µL の 1.2 mg/mL 糖タンパク質を 96 ウェルプレートに分注することで開始し、続いて 10 µL の 2 µg/µL DTT 変性バッファーを含む 3%(w/v)RapiGest を添加しました。90 ℃ で 3 分間の熱変性を行った後、溶液を室温まで冷却し、10 µL の PNGase F 溶液を添加しました。脱グリコシル化は 50 ℃ で 5 分間続けました。RapiFluor-MS(RFMS)(製品番号:186008091)溶液は、110 µL の無水 DMF を 9 mg の RFMS 試薬バイアルに添加し、吸引して混合することで調製しました。得られた脱グリコシル化溶液に 15 µL の RFMS 溶液を添加して標識を行いました。標識反応は室温で 5 分間行いました。酢酸アンモニウム溶液(10 µL、0.5 M)を添加し、室温で 5 分間放置して反応を停止させました。
N 型糖鎖精製の準備のため、GlycoWorks HILIC µElution プレート(製品番号:186002780)をまず 200 µL の水でコンディショニングし、200 µL の 85% アセトニトリルで平衡化しました。得られた N 型糖鎖混合液を 495 µL のアセトニトリルで希釈し、プレートにロードしました。サンプルは、300 µL の 1% ギ酸 90% アセトニトリル溶液で 4 回洗浄し、不純物および過剰な標識試薬を除去しました。最後に、30 µL の溶離バッファー(製品番号:186007992)で 3 回 N 型糖鎖を溶離し、次に 310 µL のサンプル希釈液(製品番号:186007992)で希釈して精製遊離糖鎖を得ました。
LC 条件
LC システム: |
ACQUITY UPLC H-Class PLUS Bio システム |
検出: |
FLR 検出器 265 nm(ex)425 nm(em)10 |
サンプル収集: |
twin.tec PCR プレート 96、スカート付き、緑色、Eppendorf、(製品番号:951020443) |
カラム: |
ACQUITY UPLC Glycan BEH Amide カラム、1.7 µm、2.1 mm × 150 mm、130 Å(製品番号:186004742) |
カラム温度: |
60 ℃ |
サンプル温度: |
10 ℃ |
注入量: |
10 μL |
移動相 A: |
50 mM ギ酸アンモニウム、pH 4.4(LC-MS グレード、製品番号:186007081) |
移動相 B: |
アセトニトリル |
Gradient
データ管理
クロマトグラフィーソフトウェア: |
Empower 3 |
結果および考察
GlycoWorks RapiFluor-MS 還元プロトコルによる N 型糖鎖解析の自動化
ルーチンの N 型糖鎖解析の自動化は、QC 環境および一般的な研究における一貫性および再現性を高めるのに非常に適しています。自動化した還元 GlycoWorks RapiFluor-MS プロトコルにより、ジスルフィドリッチ糖タンパク質からの複雑な N 型糖鎖について再現性の高いプロファイルを得ることができます。自動化した還元プロトコルのステップを、以下のフロー図に示します。
この手順のために、Andrew+ ピペッティングロボットをケミカルフード内に配置しました(寸法:72W x 33.5D、13.8 平方フィート、モデル:HBBV6、Lab Crafters.Inc.)。図 4 および図 5 に、2 種類のドミノ構成を示します。図 4 の構成は 3 列のドミノ用で、還元プロトコルを全体にわたって実施します。上述のような小型のケミカルフードを選択したユーザーの場合、図 5(A)および(B)に示すように、2 列のドミノのみを使用する 2 ステップ構成を使用する必要があります。「ステップ A」のプロトコルでは還元と脱グリコシル化、標識、反応停止を実行し、「ステップ B」では精製を実行します。
GlycoWorks RapiFluor-MS 迅速自動還元プロトコルは、ジスルフィドリッチ糖タンパク質の N 型糖鎖のプロファイリングに使用可能
還元プロトコルを使用することで、Andrew+ により、モノクローナル抗体(mAb)の糖鎖について一貫性の高いプロファイルが得られました。初期の最適化は、手順における RFMS 標識部位の対照としてインタクト mAb 質量チェック用標準(製品番号:186006552)を用いて行いました。mAb からの N 型糖鎖の遊離が、ジスルフィド結合を還元しないでも有効であるためです。還元プロトコルにより、同等の遊離 N 型糖鎖の回収率が得られました。図 6 に、還元プロトコル(図 6A)および非還元プロトコル(図 6B)で得られたクロマトグラムの比較を示します。糖タンパク質から遊離した 4 種類の主なグリコフォームの合計ピーク面積に差はありませんでした。
図 7 に、プロトコルを手動実行(6 サンプル)および自動実行(6、16、32 サンプル)してモノクローナル抗体(mAb)から遊離した糖鎖の一部(FA2、FA2G1a、FA2G1b、FA2G2)の相対面積おび合計ピーク面積の比較を示します。これらのサンプル前処理のそれぞれについて、調製したサンプルのうち 6 つを UPLC で分析しました。手動実験および自動実験の両方で認められた 4 つの選択した糖鎖について得られた相対面積は、図 7A に示すように同等(FA2 の %RSD ≤5%)でした。最大の % 偏差(FA2 の 5%)は、6 サンプルの手動手順(FA2 = 42%)と 32 サンプルの自動手順(FA2 = 44%)の間で観察されました。
図 7B で分かるように、合計ピーク面積は手動および自動の糖鎖サンプル前処理の間で一貫していました。16 サンプルと 32 サンプルの自動の実験を比較すると、平均ピーク面積の最大の差(14%)が FA2 について認められました。糖鎖のサンプル前処理においては、前処理の失敗を避けることが非常に重要になります。これらの実験において、相対ピーク面積の範囲 [100 x (最大 - 最小)/平均] で示される 2 回のサンプル前処理の間における最大の個別回収率の差は FA2 の 6 サンプルの手動手順で観察され、その差は 21% でした。
ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)は非常に複雑な構造および多数のジスルフィド結合を含むことから、このタンパク質についても還元プロトコルの試験を行いました。hCG の構造は、2 つの高度にグリコシル化されたサブユニットの二量体で構成されており、4 つの N 型糖鎖および複数のジスルフィド結合を含んでいます4。 結合している N 型糖鎖は主に複合型です4。
還元プロトコルにより、非還元プロトコルではアクセスしにくい N 型糖鎖の遊離が可能になりました。図 8 に 2 つのプロトコルの糖鎖プロファイルの差を示します。変性時の DTT の還元により、より多くの糖鎖が PNGase F 酵素にアクセスして脱グリコシル化が生じるようになります。遊離した糖鎖の量が増加していることは、還元プロトコル(黒のトレース)で(*)のマークを付けたピークを見ると明らかです。還元プロトコル(黒のトレース)において(*)を付けた 3 つのピークは、ピンク色のトレースの(*)を付けたピークよりも高いことがわかります。
還元プロトコルでは、(*)のマークを付けたピークに対応する遊離糖鎖の量が増加していました。Andrew+ では、迅速な自動還元プロトコルを使用することで、一貫性の高い hCG から遊離した糖鎖のプロファイルが得られました。図 9 に、プロトコルの手動実行(6 サンプル)および自動実行(6、16、または 32 サンプル)で、選択した hCG から遊離した糖鎖の相対面積および合計ピーク面積の比較を示します。これらのサンプル前処理のそれぞれについて、調製したサンプルのうち 6 つを UPLC で分析しました。手動実験および自動実験の両方で認められた 9 つの選択した糖鎖について得られた相対面積は、図 9A に示すように同等(ピーク 5 および 6 の %RSD ≤5%)でした。6 サンプルの自動手順(ピーク 5 = 28%)および 16 サンプルの自動手順(ピーク 5 = 30%)の間で、最大の % 偏差(ピーク 5 で 7%)が観察されました。
図 8B で分かるように、合計ピーク面積は手動および自動の糖鎖サンプル前処理の間で一貫していました。6 サンプルの手動実験および 6 サンプルの自動実験を比較すると、平均ピーク面積の最大の割合の差(12%)が ピーク 5 およびピーク 6 で観察されました。相対ピーク面積の範囲 [100 x (最大 - 最小)/平均] で示される 2 回のサンプル前処理の間における最大の個別回収率の差はピーク 5、6 について観察され、その差は 25% でした。
結論
糖鎖は、製造条件の影響を大きく受け、タンパク質バイオ医薬品の重要品質特性(CQA)として、ルーチンにモニタリングおよび特性解析が行われています。ルーチンの N 型糖鎖解析の自動化は、プロセス開発や製品開発だけでなく、一般的な研究においても極めて貴重です。自動サンプル前処理法は、GlycoWorks RapiFluor-MS 遊離糖鎖法に従っていますが、ジチオスレイトール(DTT)を用いた糖タンパク質の還元など、本書で概説した調整を加えています。還元プロトコルを使用して Andrew+ で調製したサンプルの遊離 N 型糖鎖の相対含有量および回収率は、手動で実行した実験で見られた相対含有量および回収率と同等でした。まとめると、今回実証したように、hCG などの複雑な糖鎖を含むジスルフィドリッチ糖タンパク質から再現性の高い N 型糖鎖プロファイルが得られる、補完的な自動分析法について紹介しました。
考慮事項
1. 推奨される開始時の糖タンパク質の量
- この自動還元プロトコルは、12 μg の糖タンパク質から最適な結果が得られるように設計されています。濃度が 1.5 mg/mL のサンプルでも、標識試薬(RFMS)の容量を調整することで、適切な結果が得られる可能性があります。最適な糖タンパク質の量が大きく変わると(<10 μg)、Rapid PNGase F 酵素と基質の比および RFMS 標識試薬のモル過剰に影響し、その結果、望ましくない標識のアーティファクトが生じたり、グリコフォームの回収率が低くなったりする可能性があります。
2.RapiFluor-MS 試薬について:
- RapiFluor-MS は非常に反応性の高い 1 級アミンまたは 2 級アミンの標識試薬です。水中では、約 10 ~ 100 秒の半減期で加水分解します。そのため、試薬は、キットに含まれている非求核性で極性の非プロトン性溶媒である無水 DMF に溶解することが重要です。試薬溶液は、大気中の湿気への暴露を注意深く避けた場合、1 日中使用できます。
- 還元プロトコルでは、非還元プロトコルの 2 倍の量の RFMS を使用します。それは、還元剤 DTT が求核性で、RFMS を消費して標識反応を妨害するためです。結果として、24 サンプルキット(Andrew+ 24 サンプル GlycoWorks アプリケーション、製品番号:176003349)で 16 の還元タンパク質糖鎖標識調製物が生成できました。また 48 サンプルキット(Andrew+ 96 サンプル GlycoWorks アプリケーション、製品番号:176003350 または Andrew+ 96HT サンプル GlycoWorks アプリケーション、製品番号:176003351)では 32 の調製物が生成できました。
3. 1 ステップまたは 2 ステップの還元プロトコル
- Andrew+ ロボットがケミカルフード内にある場合、ケミカルフードの大きさに応じて、使用する自動プロトコルを選択することができます。3 列のドミノ用のプロトコルでは、全体にわたって実験を実施します。2 列のドミノ構成を用いる 2 ステップのプロトコル(ステップ A およびステップ B)もあり、小型のケミカルフードに対応します(寸法:72W x 33.5D、13.8 平方フィート、モデル:HBBV6、Lab Crafters.Inc.)。
4.マイクロプレートグリッパー
- ケミカルフード内で還元プロトコルを実施する場合は、グリッパー(製品番号:186009776)の使用を推奨します。マイクロプレートグリッパーは、加熱変性ステップの前後にドミノと Peltier+ の間で 96 ウェル反応プレートを移動します。この移動により、手動プロトコルと自動プロトコルで同等の糖鎖回収率が得られます。
参考文献
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720007402JA、2021 年 10 月